もちろん“2”と付くからには『マツケンサンバ(1)』も存在するのだが、こちらはサンバ調バラードといったところで松平がムーディーに歌い上げるのみ。でも、“上様”はこれだけは満足できなかったようで。

宝塚が大好きな上様

「20代半ばと若くして時代劇イメージがついた健さんですが、もとは宝塚やミュージカル劇が大好きでプライベートでよく観劇に行っていましたよ。それが縁で大地真央さんとも出会い、“マジー”こと真島茂樹さんとも交友を深めるようになった。

 そんな健さんのイメージする、歌って踊れる歌劇のような楽曲を生み出したのが作曲家の宮川彬良さん。軽快なリズムと、宝塚公演のフィナーレを思わせる派手な演出と真島さんの振り付けによるダンス。音楽関係者の中には失笑を漏らす人もいましたが、松平さんは“これだ!”とステージで真剣に歌い踊ったのです」(前出・マネージャー)

 次第にコマ劇場の名物になり、徐々に口コミでテレビ業界にも広まっていった『サンバ2』。そして誕生から10年後の2004年にして大ブレイクし、ついにメジャーリリースが実現することに。その後、“マツケンワールド”が認知されたコマ劇場では念願かなってか、『暴れん坊将軍』もミュージカル劇として公演。新たな時代劇を開拓した松平だった。

「誰もが知る大御所の健さんですが、“無礼講”の通りにえらぶることは一切なく、誰にでも気遣いができる人。スタッフとも垣根なく接しては、意見やアイデアにも耳を傾けて“それ、いいね”と取り込む柔軟性もある。そして舞台役者を、“いい演技するんですよ”とドラマ関係者に紹介したりと面倒見もいいんですよ。

 劇中で皆から慕われる“上様”まんまの“太陽”のような暖かな人柄だからこそ、コロナ禍でギスギスした世の中で『マツケンサンバ 2』は求められるんじゃないかな」(前出・マネージャー)

 今宵も無礼講で歌い踊り明かそうぞ!