メリットもあるが“批判”も

 カズが試合に出れば、ゴールを決めれば、ダンスを踊れば……そのたびにメディアに取り上げられる。それはシーズンオフも同様で、年末年始に行うトレーニングキャンプは密着され、毎年2月に訪れる彼の誕生日には、記者たちからケーキが贈られ、当然その模様は報道される。

「たとえカズ選手が試合に出なくても、チームにとってその“効果”は大きい。一挙手一投足がニュースになり、“横浜FC”の名前がメディアに載る。最近はベンチ入りも少ないので、なかなか見ることは難しいですが、“カズが試合に出るなら”見たいという人は、横浜FCファン以外にも多い。

 また、試合に出なくてもチームでもトップの人気選手であり、横浜FCの試合では、ヴェルディや代表での活躍を知らないような小さな子どもが“11番KAZU”のユニフォームを着ているのをよく目にします」

 現状、カズのJリーグ最後のゴールを決めた試合を観戦したサッカーファンは次のようにカズを語る。

「横浜FCのファンではないのですが、友人とカズを見に行こうとスタジアムに行きました。まさかゴールを決めてカズダンスが見れるとは。でも、ゴール以上に心を奪われたのは、フォワードとして最前線にいる50歳のカズさんが、守備になったら自陣ゴール前まで戻って一生懸命守備をしている姿。自分も自分の仕事を頑張らなきゃって思いました(笑)。現代サッカーはフォワードも守備をするのが当然ではありますが、それでもやっぱりすごいなって」

 一方でセルジオ越後も言うように批判やデメリットも。

「まず前提として試合に出場していなければ、選手としての価値はないという考え方。カズ選手の練習への取り組みやこれまでの経験は若い選手に大きな影響を与えるとも言えますが、やはり選手は試合に出てこそ。そしてベンチ入りすればその分ベンチをはずれる選手が1人いる。監督が“カズを使おうと考えた”のであればそれが答えですが、今季出場1分の選手に、どれだけ期待してベンチに入れたかは疑問。選手からの文句があってもおかしくない」(前出・サッカーライター、以下同)

 “ドーハの悲劇”で、ワールドカップ出場を逃したカズ。

「'12年に特例的な扱いでフットサルのワールドカップ日本代表に選ばれ、念願の出場を果たしました。しかしそれまでフットサル選手としてプレーしていなかった選手の代表入りには疑問の声もあり、事実、代表経験もあるフットサル選手は“カズでひと枠無くなるじゃん”とボヤいていました」

 カズの移籍先の候補の1つに、JFLの鈴鹿ポイントゲッターズがある。同クラブの監督は三浦泰年。カズの兄だ。移籍がまとまるかは現状わからないが、このクラブは大きく揺れている。

クラブの元執行役員がツイッターで内部告発しました。上層部より八百長として“試合に負けろ”という指示があったとしています。クラブは“不正行為の事実が認められない”と声明を発表しましたが、事実の隠蔽が目的か、一度、その元執行役員に2500万円を支払っているなど、真相はいまだわからず泥沼化しています

 '22年、カズはどのクラブでプレーするのか。もう1度でいいから、あのダンスを見たいファンは多いはずだ。