「私の人生を映画に」
転機となったバラエティ番組は『アウト×デラックス』(日本テレビ系)だという。
「マツコ(・デラックス)さんに『あなたは本当にすごい歌手なのよ』といわれて嬉しくって『そうです〜♪』って歌で返しちゃって。そして『あの“彼”は華原朋美なのよ!』と言われて、そうか! って。本当に気づきがありました。
男女って、いろいろありますよね。私はもう、どうでもいいかな、って思っているんで、また会って、お仕事できるといいなって思ってます。またデュエットとかできないかな、って思ってるんですけど、嫌がられちゃうのかなー、なんて(笑)」
この日は華原の両親や、彼女が日ごろから慕っている作家の岩井志麻子(57)などの顔もあり、華原が壇上に招き入れる場面も。
「岩井先生は『あなたは“負け”じゃない。完全に“勝ち”なのよ』って言ってくださって、本当に嬉しかったです。
両親を始め家族には、本当に心配をかけました。でも今は、私がテレビに出るのを楽しみにしてくれているので、私も母に『今度、何月何日の何時からのこの番組に出るから観てね』って連絡するのが楽しみです。
旦那もね、夜遅く帰ってきて朝早く出てしまうので、家族の時間がなかなか取れないんですね。それで何度か怒ったんですけど(笑)、まあそうやって仕事を取ってきてくれているわけですしね。おかげで年末も忙しいんですが。
とにかく、10年前は今の自分がこんなになっている、こんなに幸せになっているとは全然予想ができなかったでしょうね。支えてくれるファン、スタッフ、家族……。本当に感謝しかないです」
ラストの曲は、前述のように思い入れがある『I'm proud』。
歌い上げると、これからの抱負を語った。
「来年は、新曲をいくつか発表したいです。いま歌詞を書いているんですよ。曲作りのために少し仕事をセーブしようかと思っていたんですが、おかげさまでかなり先まで仕事が入っています。
あと、絶対やりたいのは、私の人生を映画にすることですね。主役は私が務めます(笑)。ジェットコースターのような山あり谷ありの連続でしたから。ラブシーンも、入れます! みんな観たくないかもしれないけど(笑)」
過去を否定しない強さこそ、まさに『I'm proud』――。
〈取材・文/木原みぎわ 撮影/高梨俊浩〉