一度流出した情報は二度と……
騙し取られた個人情報は、半永久的に転売され続ける。奪われた個人情報は、“詐欺サイトにひっかかった人”すなわち“カモ”としてさまざまな詐欺グループに共有される。
もし個人情報を入力してしまったら……。
「何よりもまず先にクレジットカード会社に連絡し、状況を伝えて利用を止めてもらうこと。私が代表を務めるNPO法人でもそのような注意喚起を発信していたのですが、その中で“解約”と勘違いしてしまった方がいました。
解約はしてはダメで、クレジットカードの“停止”ですね。解約すると会員でなくなってしまうので、クレジットカード会社に登録された情報が削除されてしまいます。そうなってしまうと、過去にさかのぼって証明したり、不正利用の補償などができなくなってしまう場合があります」
不正な引き落としが発生してしまった場合は……。
「警察ではなく、まずクレジットカード会社に連絡。カード会社によって補償期間は決まっています。被害届や相談番号などが欲しいとクレジットカード会社に言われたら、警察に届ける。クレジットカード会社が“それは補償できません”というケースもあります。
先日相談に来られた案件は、不正利用の1回あたりの金額は小さかったのですが、1年間にわたって引き出されていました。以前のものは期間外と見なされてしまい、さかのぼっての補償はできないこともあります。
返金してほしい、請求を止めてほしいというのは、それが本当なのか証明しなくてはいけません。これは非常に面倒な作業。こっちは悪いことをしていないんだからと言っても返金されないこともあります」
被害に遭わないためには?
「やはり大事なのは自分で防御すること。まずは“フィッシング詐欺”というものが当たり前にあるということを認識する。自分もひっかかってしまうことがあることを知る。どんどん巧妙になっているためフィッシング詐欺は、“見破ろうとすること自体が詐欺にひっかかる一歩手前”というような状態です。フィッシング詐欺は存在して、どんな人でもいつかはひっかかってしまうと考えていい。
簡単で完璧な防御法は、メールにあるURLを開かないことにほかなりません。万が一“未納”と脅すメールが来ても、そのメールにあるURLは絶対に開かないこと。自分でカード会社のホームページにいき、自分のアカウントでログインして支払い履歴を見てみる。そこで未納でないことがわかりますから。それが最大の防御ですね」
自分の身は自分で守らなければならない。
■フィッシング詐欺で騙られることの多い 企業名とメール件名
【クレジットカード系】
●Mastercard
【重要なお知らせ】Mastercardご利用確認のお願い
●PayPay銀行
【PayPay銀行】個人情報が失効のご連絡
●イオンカード
【重要】AEON CARDからの緊急のご連絡
●JCBカード
【JCBカード】重要なお知らせ
●三井住友カード
【最終警告】三井住友カードからの緊急のご連絡
●エポスカード
【重要】エポスカードからの緊急のご連絡
●楽天(楽天カード)
【重要なお知らせ】カード情報更新のお知らせ
【カード以外】
●Amazon
AmazonからのEメール - アマゾン
●メルカリ
【メルカリ】重要なお知らせ
※編集部調べ