ポジティブな話の後に必ず入る自慢

 ちかこさん(35歳、仮名)は、婚活を始めて1年になります。そのとき、こんな感想を漏らしていました。

「これまでお見合いでお会いした男性って、すごくネガティブな発言をする方が多かった。お見合いのときは、自己紹介とか趣味の話を楽しくすればいいのに、『仕事がつまらない』とか、『会社の人間関係がよくない』とか、愚痴をいう人ばかりで。私は、ネガティブ発言をする人って、目の前に幸運が訪れても、それが見えなくてチャンスを逃してしまうと思っているんですね。だから、人生がどんどんマイナスな方向に振れていく気がするんです

 確かにそのとおりで、生きていればいろいろな出来事があります。前向きな人とマイナス思考の人がいたとして、2人が同じ事象に遭遇したとしても、前向きな人は、それをどう解決したらうまくいくのかを考えるので、人生が前に進んでいく。ところがマイナス思考の人は、それをマイナスに捉えて悲観するので、人生が後退していく。

「ネガティブな人にばかり当たってしまった」と言っていたちかこさんですが、先日お見合いから交際に入ったかずひろさん(仮名、39歳)は、ポジティブ思考の人で、お付き合いがとても楽しいと言っていました。

 この2人はうまくいくのではないかと踏んでいたのですが、あるとき、ちかこさんからこんな連絡が入ってきました。

かずひろさんは、ネガティブなことは言わないんですけど、前向きな話の後に、必ず自慢話が挟み込まれるんですよね。『この間、営業先に行ってすごく大きな話を決めてきたんだ。まあ、僕は同期の中でも上から一番期待されているからね』とか、レストランに行ったときには、『あれ? シェフが変わったのかな。食に関しては、美味しいものを食べ歩いている僕の舌はごまかせないよ』とか。何度かお会いしているうちに、発言が段々と鼻につくようになってきました」

 ポジティブ発言でとどめておけばいいのですが、そこに自慢話が加わると会話の受ける印象をガラリと変えてしまいます。

  自分では気づいてはいないけれど、こんな発言をしがちというのは、それがクセになっているのだと思います。これを言ったら相手にどんな印象を与えるのか、その想像力を持って会話することが大切ですね。


鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。新刊100日で結婚(星海社)好評発売中。公式サイト『最短結婚ナビ』 YouTube『仲人はミタチャンネル