自分のことをよくわかっている新庄

 ちなみに、1月9日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、監督就任以来の自分を「どんだけ俺、メディアに出たか」とあきれぎみに振り返っていた。さらに、

マネージャーには怒りましたよ、仕事入れすぎだろうと。ちょっとみんな飽きてると。それが不安なのよ

 と、苦笑い。本人もうすうす、無理をして場違いなことをしていることに気づいているのだろう。

 2月になり、キャンプが始まれば、野球に専念できるようになるはずだが、ここでも不安材料はある。彼は23歳のとき、練習方法などをめぐって当時の首脳陣と対立。

「自分には野球に対するセンスと能力がないので、野球をやめます」

 と宣言した。2日後に撤回したものの、その再現を心配する人もいる。努力が実らず、チームが低迷した場合「監督のセンスと能力がないので、監督をやめます」などと大マジメに言い出しかねない、というわけだ。

 そうならないよう、監督、いや、ビッグボスを全うしてほしいものだが、この「ビッグボス」というのもなんだかこっぱずかしい。

 ただ、清原の「番長」同様、新庄にしか似合わない愛称なのも確かだ。しかも、こちらは本人によるネーミング。案外、自分のことをよくわかっているのかもしれない。

PROFILE●宝泉薫(ほうせん・かおる)●アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。近著に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)