国民のことを第一に考える陛下のお心は、和歌にも表れている。

《世界との 往き来難かる 世はつづき 窓開く日を 偏に願ふ》

「陛下は昨年に引き続き、新型コロナの収束を願うお気持ちを、雅子さまは昨年9月に赤坂御所から皇居に引っ越された際に感じた、上皇ご夫妻への感謝を詠まれました。愛子さまは、学業優先のため儀式は欠席されましたが、成年となられたことで今回初めて和歌を披露されました」(前出・記者)

英国に関する和歌を詠まれた喜び

 現在、学習院大学の文学部日本語日本文学科に通われる愛子さまは、幼いころから歴史や古典などに興味をお持ちだった。

「小学6年生の夏休みに作成された『藤原道長』というレポートは、論理的な内容で小学生が書いたものとは思えませんでした。中学の卒業文集では『世界の平和を願って』と題し、原爆の悲惨さや平和の尊さを書かれています」(宮内庁関係者)

 すぐれた文才で、たびたび周囲を驚かせてきたプリンセスの気になる“初和歌”は、

《英国の 学び舎に立つ 時迎へ 開かれそむる 世界への窓》

愛子さまは、高校2年生の夏休みにイギリスのイートン校で約3週間の留学を経験されました。初めて外国の学校を訪問し、歴史の重みを感じる立派な建物を目にされた際に“ここから世界が開かれようとしている”と、胸を弾ませたお気持ちを詠まれたそうです」(前出・記者)

 陛下が披露された和歌と同様に“世界”という言葉が含まれることについて、ある宮内庁OBは感嘆する。

徹底的な感染対策が講じられた『歌会始の儀』(1月18日・皇居)
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愛子さまだけではありませんが、多くの大学生はコロナの影響で思い描いていた学生生活を送れていないでしょう。その現実を嘆くのではなく、未来を見据えた明るい歌を詠まれた点が、さすが天皇家の長女だと思いました」

 英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんは、英国に関する和歌を詠まれたことに喜びをにじませる。

「皇室と英王室は深い親交関係にあります。昭和天皇は、ジョージ5世から多大な影響を受けていますし、上皇さま(当時皇太子)はエリザベス女王の戴冠式に出席されました」(多賀さん、以下同)

 '20年春には令和初の海外訪問として、両陛下の訪英が予定されていたが、新型コロナの影響で延期に。