「毎日ドレスを着る、ヒールは15センチ以上」をモットーにしているため、食生活やオリジナルの体操など努力の甲斐あって、20代から全く変わらないスリーサイズを誇る松本さん。
そんなストイックな日々が功を奏し、2021年はなんと世界4大ビューティーコンテストの一つである「ミス・アース・ジャパン」のミセスバージョンである「ミセス・グローバル・アース・ジャパン」への出場が決定。
「ブライダル業界を活性化したい」
多忙の合間を縫ってウオーキングやスピーチなどのセミナーをこなした。その結果、見事ファイナリストに選ばれ、特別賞の「SDGs賞」を受賞したのだ。その模様は前出の『ノブなかなんなん?』内でも大々的に取り上げられた。
コロナ禍ながら華やかに活躍した1年だったように思えるが、実際は「心斎橋でお店を始めて以来といっていいくらい、本当に大変な1年でした」と振り返る。
「姫はもともとアパレル会社やドレスメーカーでデザインの企画開発をしていたんですね。一念発起してこのレンタルサロンを起業した頃はバブル真っ盛り。ブライダルブームで、とにかく派手婚の時代でした。
そんななか、レンタルでも当時50万から80万円くらいしたドレスを、姫は自分でデザインしたものを業者さんに作成してもらうという完全オリジナルだったので、10万から30万円くらいでレンタルできたんです。だからお客さんがじゃんじゃん来て、とっても儲かりました」
思った以上に事業は好調で、3人の子どもを抱え多忙を極めた。離婚も経験した。
「子どもたちには寂しい思いをさせたと思うけど、おかげさまでみんな独立して、今でも応援してくれています。孫もいますよ。姫の“お城”を継いでくれるかどうかはまだわからないけど」
その後バブルは崩壊。少子化や地味婚、そもそも結婚しない人たちが増え、ブライダル業界は先細りするいっぽうとなる。
一時は結婚記念日などの写真撮影やインバウンド需要に活路を見出したこともあったが、コロナの波は松本さんの店も直撃した。今ではドレスを着て記念の写真を撮る人たちも激減してしまったという。「ミセス・グローバル・アース」に出場を決めたのも、ブライダル業界全体の活性化を願ってのこともあった。
「先が見えなくて、本当に大変。SNSをがんばって、いろいろ発信したり、何かしらのコラボなんかをして生き残っていきたいと思っています」