オミクロン株の感染者が芸能界にも増える中、数日前のスポーツ紙に「コロナ代役争奪戦」という見出しが躍った。
バラエティー番組やトーク番組のゲスト、ラジオ番組のパーソナリティーがコロナに感染し、その代役探しに悪戦苦闘しているという記事だ。
たいていの番組は対応できるだろうが、やはりこの番組になると、そう簡単に代役は探せそうにない。
日本テレビ系演芸番組『笑点』だ。
コロナに続き災難続きの『笑点』
司会を務める落語家の春風亭昇太(62)がまず感染し、次に林家たい平(57)が感染した。
「その段階で関係者は、次の収録のことで頭を抱えていましたが、ここに来て円楽師匠が緊急入院した。どうしたらいいのかと、さっき聞いたばかりです」と日テレ関係者。
三遊亭円楽(71)が25日、脳梗塞(のうこうそく)で緊急入院したことを、所属事務所が26日に明らかにした。
「意識はあり、命に別状はないということで安心していますが、気がかりなことはしゃべれるかどうか、ということ。命に別条がなくても、これまでのしゃべりができなければ、噺家にとっては命以上に大切な落語を失うことになる。それが心配ですね」
と情報が少ないことにヤキモキするのは演芸関係者だ。続けて、こう話す。
「日テレの『笑点』も、新しく桂宮治さんが入ったばかりだというのに災難続きですね。昇太さんがコロナになった際は、司会の代役として円楽さんで乗り切れると踏んでいましたが、その円楽さんも、しかもたい平さんまでダメ。
『笑点』は2週に一度の収録なので、現状1本のストックがありますが、それ以降は白紙状態。『BS笑点』でやっているような懐かしい場面の編集でやりくりすることも考えているようですが、一般のバラエティー番組のように芸人なら誰でもいい、というような代役がきかないので、制作サイドもヤキモキしているようです」
番組収録も大変だが、それ以上に大変なのは「復帰時期が未定」(事務所発表)による落語会への影響だ。
前出・演芸関係者が再び。
「円楽さんプロデュースで、東京・大手町あたりをステージにした『江戸東京落語まつり2022』が、3月末に控えているんです。なんといっても顔が円楽さんですし、2月1日にはその記者会見を読売新聞本社で開催する予定です。開催自体は問題なくできますが、会見は円楽さんありきなので、延期も含めて関係者はどうするか考えているようですよ」
所属事務所は「円楽の元気な復帰を共に祈っていただけますと幸いに存じます」とコメントしている。誰しもがまさに同じ思いだろう。
〈取材・文/薮入うらら〉