血糖値コントロールは、朝食のとり方がカギ
糖質の過剰摂取がよくないのはもちろんだが、空腹が長く続いたあとに食事をとるのは輪をかけてよくない。これは規則正しく食べたときに比べ、「血糖値スパイク」といわれる血糖値の急上昇を起こし、肥満につながる最悪の食べ方だ。そのうえ、脳梗塞や心筋梗塞、がん、認知症などさまざまな病気を引き起こすとまでいわれている。
「食欲が出ないから、時間がないからといった理由で朝食を抜き、昼にペコペコになった状態で大量に食べるなんていうのは、いちばん太りやすい食生活。ヤセたいなら、朝食を見直すのがいちばん効果的。朝食さえ工夫すれば、血糖値の急上昇を防げるだけでなく、その日1日の血糖値をコントロールでき、太るメカニズムから脱出できます」
では、ダイエットのための朝食とは、どんなものをどんなふうに食べればいいのか。
「いちばん大切なポイントは食物繊維をたくさんとること。これにタンパク質と適度な糖質を加えたバランスのよい朝食が理想的です。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、それぞれ役割を持っています。前者は小腸で粘性を増して糖質をからめとり、後者は便のカサを増して糖質の吸収を遅らせ、排出を促してくれる。この相乗効果で食後でも血糖値の急上昇が起こらないのです」
●食物繊維は2種類あり!
→両方をバランスよくとるべし
・水溶性食物繊維が多い食材
こんにゃく、もち麦、大麦、玄米、アボカド、ひじき、わかめ、納豆、オクラ、きくいも
・不溶性食物繊維が多い食材
大豆、セロリ、ごぼう、ブロッコリー、きのこ類、いんげん
さらにうれしいことに、この効果は朝食後だけではなく、昼食後まで持続するそう。
「昼食はどうしても糖質の多い麺類や丼ものなどになりがちですよね。本来、このような食事をすると血糖値が急上昇して太る原因になりますが、食物繊維たっぷりの朝食をとってさえいれば、『セカンドミール効果』といって、血糖値はゆるやかにしか上がりません。1日を通して血糖値が安定していれば、糖が脂肪に変わることを避けられる」
つまり、朝食にさえ気を配っておけば、お昼は気にせず好きなものを食べてもやせられるということ。たとえ糖質主体の食事であっても、だ。
「さすがに夜まで効果は続かないので、夕飯は糖質少なめを心がけてほしいのですが、これだけでも2か月程度で4~5Kgは減ります」と、大塚先生は太鼓判を押す。
「ヤセ朝食の条件は3つありますが、あまり厳密に考えず、最初から頑張りすぎないこと。続かなければ意味がありませんから。無理に品数を増やそうとせず、丼ものにしたり、パンにのっけたりしてできるだけ簡単に。献立が1パターンだってOK。便利な食材や調理器具をフル活用し、できるレベルでとにかく継続しましょう。そうすれば必ず効果が出てきます」