試運転などは一般にアナウンスされないが、どうやって情報をキャッチするのか。

撮り鉄の情報ルート、近隣迷惑もしばしば

「情報収集は人によってさまざまだと思いますが、いちばん“強い”ルートとして、鉄道会社職員から漏れるケースがあります。鉄道会社の職員も鉄オタだったりするので漏らしてくれるのです」

 撮り鉄のトラブルがニュースになることは多いが、現場で実際に見て、どのようなものがあるのか。

多いのは、列車の通過直前での線路横断や線路脇などの敷地内への乱入だと思います。昨年3月にJRの中央線で、鉄橋を走る電車を撮るために鉄橋の端に侵入した撮り鉄がいました。

 電車は緊急停車。その後、彼らは逃げています。こういった行為は鉄道営業法違反や軽犯罪法違反となる可能性があります」

線路に侵入し横断、かなりの人数が危険な線路脇を歩き、撮影地に群がっている
線路に侵入し横断、かなりの人数が危険な線路脇を歩き、撮影地に群がっている
【写真】断崖絶壁で危険! 死亡事故のあった「撮り鉄」の撮影場所

 撮り鉄は1つの地点だけを撮影するのではなく、追っかける者も……。

車で電車を追っかけます。今年1月3日に長野県を走る篠ノ井線に撮り鉄が集まりました。正月恒例の4両の機関車が連結された“四重連”の『単8560レ』という列車を撮るためです。

 当日は“追っかけ”の人たちで近隣が大渋滞になりました。地方の細い道を、速度違反のスピードで追っかけることも多いので、事故もよく聞きますね

 人気列車に撮り鉄が集まると集まった者でひな壇のような形で列を組む。ひな壇は“激パ”(激パニックの略で混み合うこと)になると自然と形成されるが、そこでは指示する者も。

声を出してその場を仕切る人がいて『自治鉄』と呼ばれます。仕切られることを嫌う人は少なくないですが、私を含めだいたいの人はトラブルに巻き込まれたくないので従う。ですが無視する人もいます

 “自治”する側なのに、ほかのファンや地元住民に迷惑をかけることも……。別の撮り鉄男性にも話を聞いた。