そのご見解は、昨年末に取りまとめられた『安定的な皇位継承策などを議論する有識者会議』の最終報告の内容とも結びつく。
「喫緊の課題を“皇族数の確保”とし、女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、皇統に属する男系男子を養子として皇族に迎えるという、2案について検討されています」(皇室ジャーナリスト)
ここでいう“皇統に属する男系男子”とは、終戦後に皇籍を離脱した旧宮家などを指し、現存するのは5家。
“政略的縁談”の危険性
「これまで民間人として過ごしてきた当事者たちにとっても、旧宮家のことをよく知らない国民にとっても、皇室とのギャップが大きすぎることが懸念されます」(同・前)
静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、こう振り返る。
「'11年の野田佳彦内閣下で同様の議論が進められていたとき、会議の席で“愛子さまが旧宮家の男子と結婚されれば、皇位継承問題は解決するのではないか”という質問を受けたことがありました」
要するに、旧宮家の男子が“愛子さまの夫”になれば、2人の間に生まれた子は男系男子になり、皇位継承の問題は解決するという主張。それに対し、小田部教授は次のように反論した。
「皇族であるがゆえに政治的な圧力で結婚相手を強いられるのは望ましくない」
それから10年以上がたち、愛子さまの成人を機に、“お相手候補”として旧宮家の賀陽家が注目されている。
「当主の賀陽正憲氏は、天皇陛下と学習院初等科から大学まで同級生で、宮内庁に勤めた経験もあります。正憲氏には26歳と24歳になる未婚のご子息がいて、愛子さまのお相手にふさわしいのではないかと一部で報じられています」(前出・皇室ジャーナリスト)
堂々巡りの現状に、小田部教授は再び警鐘を鳴らす。
「愛子さまのご意思や両陛下のご意向を無視した“政略的縁談”が進めば、国民の心は離れていってしまうでしょう」