感染者がいそうな場所はやっぱり怖い
5位には【病院に行ったとき】(207人)というシーンが入った。発熱外来以外の一般診療においても、感染に対する不安の声は聞こえる。
「待合室で長時間待っているとき、感染者が近くにいるのではと不安」(49歳・女性/北海道)
「持病で定期的に病院に行かなければいけないが、体調の悪い人も多くいる場所で、ここでコロナにかかってしまうのは本末転倒だなと思う」(66歳・女性/愛知県)
また、ランキングには入らなかったものの【PCR検査会場で列に並んでいるとき】という声も複数あがった。
「帰省前にPCR検査を受けに行ったが、感染の疑いがある人が集まっている場所だから、不安が大きかった」(39歳・女性/奈良県)
「コロナ疑いの患者さんを診療する場所や時間帯で分けている病院が増えています。当院では人が触れるところのこまめな消毒や特殊な換気システムを導入してさらに感染対策を強化しています。診察を受ける前にその病院の感染対策をホームページなどで確認しておくのもいいでしょう。
それでも患者さんが不安に思ってしまうのは無理のないことです。軽々しく安心してくださいとは言えませんが、どうしても不安が強ければオンライン診療や電話診療を利用するのも一つの手です。
コロナ感染の疑いのある方は慌てて病院に駆け込まず、病院や保健所の指示に従って行動していただきたいです。ひと昔前は風邪でも気軽に診てくれたかもしれませんが、風邪の症状と区別のつかないオミクロンが流行っている現在、風邪症状で気軽に病院を受診できなくなってしまったことも知っておいてください」
トイレやつり革の接触感染が不安
6位には【公共のトイレや洗面所を使うとき】(142人)、10位には【電車のつり革につかまるとき】(53人)と、不特定多数の人が使うものに対して不安を感じる人も多い。
「コロナ前に比べると、公共のトイレを使う際に便座の除菌を徹底してやるようになった。たまに除菌シートを忘れて絶望的な気持ちになる」(34歳・女性/岐阜県)
「職場の洗面台でうがいや歯みがきをする人もいるので、手を洗うときにもウイルスがいるのではないかと心配」(51歳・女性/神奈川県)
「電車のつり革をつかんだ後、手を洗うまで目や口、マスクなどを触らないように過剰なほど気を使ってしまう」(56歳・男性/東京都)
ランキングには入らなかったが、階段の手すりやドアノブ、さらには郵便物や宅配物を触るのをためらう人も。
「ドアノブなどは誰が触ったかわからないので、基本外出時は手袋をつけるようになった。素手だと宅配便を受け取るのさえ、ちょっとイヤだなと思ってしまいます」(38歳・女性/埼玉県)
「オミクロン株の場合、プラスチックに付着したウイルスは8日ほど、皮膚に付着した場合でも21時間ほど生き続けるという研究結果が出ています。そこから接触感染をしてしまう例もありえないことではなく、不特定多数の人が触るところは濃度70%以上のアルコールで消毒をすることも重要な感染対策になりますね。
手についたウイルスは口や鼻、目を触ったときなどに体内に侵入して感染する場合が多いので、こまめな手洗いや手の消毒も大事です」
どんなに気をつけていても起こってしまう「コロナ版ヒヤリハット体験」。他人がどんなときに不安を感じるのかを知り、そのような行動をしない配慮も、安心な社会生活を送るうえで必要不可欠だ。