究極の悪役、グィナムの怖さが神レベル
不良集団のパシリだったグィナム(ユ・インス)。ゾンビ初襲来時は腰を抜かしてたのに、噛まれて“ハンビ”(人格は人間のまま身体能力はゾンビの“半分ゾンビ”)になると、「ここはまるで天国だな」と暴れ放題に。
とにかくチョンサンが憎くて倒したいグィナムは何回窓から突き落とされても復活し、血だらけで「イ・チョンサーン!!(怒)」。イ・ジェギュ監督の「グィナムは、最初は中身のないわかりやすい悪役だったが、深みを持たせるためにインスをキャスティングした」という言葉も納得の強烈演技は、怖すぎるからこそリピートしたくなる。
チョンサン役のチャンヨンとインスは、実は仲よし。「家が近くて、カフェに行ったり夜景を見にいって、演技について3時間くらい話した」(チャンヨン)、監督は「2人のアクションシーンは、相性がよかったからこそ」と語っている。そんな背景を知ると、また格別の感動が。
●クセになっちゃうゾンビの動き
全速力で追いかけてくる不死身の(というか、すでに死亡している)ゾンビが怖すぎる! その怖さをより高めているのが、独特の動き。実はこれ、ダンサーと振付師が考えた動きとのこと。大勢のゾンビ役の人たちが練習しているメイキングは圧巻だ。ゾンビ集団ひとりひとりの動きを鑑賞するにはループ見必須。
●伏線、セット、カメラワーク……こだわりまくりの演出
イ・ジェギュ監督の「何度も見ると細かい伏線に気づくでしょう」という言葉どおり、チョンサンと親友のギョンスが口笛で吹く“蛍の光”など、その後で重要なモチーフとなる伏線の数々は見事!
また4階建ての校舎は全長100mのセットというスケールのデカさだし、圧巻は食堂で生徒たちが初めてゾンビと対峙する2話の冒頭。200人の生徒が逃げ惑うこのシーンはワンテイク(カット割りせず長回しで撮影)だったそう。
さらに、いじめや受験、2014年のセウォル号沈没事故を想起させる描写、コロナ禍の現在の状況との類似点など、社会派作品の側面も。