かつて世間の注目を集めた有名人に「ブレイク中、何を思っていたか?」を語ってもらうインタビュー。当事者だから見えた景色、聞こえてきた声、当時は言えなかった本音とは―?'80年代にツッパリキャラでデビューした嶋大輔(57)。当時の人気は「たのきんのライバル」とも言われたがその裏では本人のみぞ知る葛藤もあったようで―。
ツッパリ男の高校時代
巨大なリーゼントに幅広ズボンの“ドカン”で決めて『男の勲章』を熱唱するのは、嶋大輔。あのころと変わらないツッパリスタイルだ。
「昨年末に『横浜銀蝿』のライブで歌いました。ステージで歌ったのは30数年ぶり。『今日から俺は!!』というドラマの主題歌に使われたことで、最近も歌わせてもらうようになりました」
『男の勲章』がヒットしたのは'82年。40年も前の歌が、今の若者にもウケている。
「'18年上半期にカラオケでよく歌われた曲のランキングで、1位がクイーン、2位あいみょん、3位が嶋大輔ということがあったんです。“恩人”という言葉がありますが、僕にとって『男の勲章』は“恩曲”だと思っています。
松嶋菜々子ちゃんがお茶のCMで歌ったり、この曲には本当に助けられました」
フジテレビ系バラエティー番組『めちゃ×2イケてるッ!』やTBS系ドラマ『木更津キャッツアイ』でも取り上げられて、'03年にセルフカバーをしたこともある。
「以前はあんまり『男の勲章』を歌いたくなかったんです。リーゼントにしてくださいと言われますし、いじられているとか、バカにされていると思っていました。でも最近気づいたのが、いろんな人がデビューして、芸能界を辞める人もいる中で、求められる過去を持っているのは何人いるんだろうって。そう思ったら、キャリアを誇りにしなきゃダメだと。ちょっと大人になったんですかね(笑)」
『男の勲章』は“ツッパリの美学”の歌。“ツッパリ”というのは不良のこと。デビュー前の嶋は、バリバリの不良だった。
「高校ではリーゼントにしてもいいけど、刈り上げもしなきゃいけないとか、ちょっと納得いかない校則もあって。1年生のときに“こんな校則やめろ”と座り込みしたら、2年生が怒ってきて乱闘に。勝った俺たち1年生で風紀委員のような応援団を作ることになって。3年生が卒業したら自分たちの天下になると思っていた2年生がかわいそうでしたけどね(笑)。
当時は学生服が赤茶になるくらいケンカしていて、漫画の『湘南爆走族』のような高校生活でした」