「私も入社後、開発に関わりました。第2弾のきんぴらはつくねを作る過程でも具材の候補になっていました」

 一方の第3弾の焼肉はきんぴらに比べるとシンプルな商品。この3商品がライスバーガーの骨格となった。

 その後、モスライスバーガーには海老竜田、豚生姜焼き、六彩がんも……ラインナップは続いた。

 さらに、モスライスバーガーは特にアジアの店舗では日本以上に人気だ。

「印象に残っているのは台湾のサクラエビを入れたライスプレートですね。商品開発には苦労しましたが、ものすごくおいしかった」

寺本さんも開発に携わった台湾の『かき揚げ』。米にはサクラエビが混ぜられている(同社撮影)
寺本さんも開発に携わった台湾の『かき揚げ』。米にはサクラエビが混ぜられている(同社撮影)

 サクラエビは素揚げをしてその香ばしさを引き立たせ、米に混ぜてライスプレートを作った。

「ライスバーガーを通じてお米を手軽に食べてもらいたい。そんな思いが根底にあります。モスライスバーガーをもっと進化させていきたいと思っているので楽しみに待っていてもらいたいです」

3月12日は“モスの日”!

 1972年3月12日、東京・板橋区成増。商店街の一角にモスバーガーは誕生した。まず実験店が稼働し始めた3月12日は“モスの日”とし、今年で半世紀の歴史を刻む。

東京・板橋区に誕生した1号店、現在も同じ場所で営業している(1972年・同社撮影)
東京・板橋区に誕生した1号店、現在も同じ場所で営業している(1972年・同社撮影)

 その後、同年6月に実験店からほど近い場所に、約2.8坪の1号店がオープンした。

「地元に愛され、現在でも店舗は残っております。そこから店舗は全国、海外へと広がっていきました」

 同社では50周年に合わせてさまざまな企画も計画中だという。

「1号店の成増店をリニューアルします。そして4月30日までは同店を“成増”という地名にちなんで“なりもす店”の愛称で呼びます」(同社の広報担当者、以下同)

 さらには創業当時のメニュー『モス・ダブルバーガー』(1990年まで販売)を期間限定で復刻販売をスタートする。同社の代表メニュー『モスバーガー』に、ミートソース、パティ、オニオン、レタスを追加、ボリューム満点のメニューだ。

「私たちのモットーは地域に貢献して、おいしくて安全なものを提供しお客様に幸せな時間を過ごしてもらうかです。私たちは経営理念の『人間貢献・社会貢献』を忘れずに、次の50年に向けてこれまで以上にみなさまに愛されるモスバーガーを目指します