彼らの姿を5年見たことがない
そんななか1年後、 Cさんが急死する。救急車で運ばれるようなことが何度もあった Cさんだったが、Aさんは近所に“うちのは酒飲みだから、身体が弱いのよ”と説明していたという。
「Aさんに香典を持っていったんだけど、断れられたのよ。“うちはそういうの、受け取っていない”って。あと、“警察が引き取っていて、遺体はうちにない。疑われているみたい……”とも」(同・別の住民)
Cさんが亡くなった直後、この家に加わったのが丹羽洋樹容疑者だった。陽子容疑者の内縁の夫であり、彼女よりも20歳若い。
近所の主婦によると、
「当時、丹羽さんは大学を卒業したばっかりで線の細い、おとなしい青年でしたよ。最初は近所のホームセンターでアルバイトしていたけど、そのホームセンターが移転してからは無職になったみたいですね」
さらに不可解な出来事は続く。
「B子さんがある日、いきなり私の家に駆け込んできて“丹羽と陽子に殺される! 助けてくれ”って。それで警察に通報したんだけど、Aさんが警察に“B子は認知症だから”と説明したみたいです。あの家は当時から雨戸は閉めっぱなしで、室内の明かりがほとんどなかったけど、B子さんは家の中にほぼ監禁状態になっていたのかも」(同・近所の主婦)
前出の近隣住民はこう話す。
「思い返すと5年ぐらい、Aさんと B子さんの姿を一度も見ていないのよ。亡くなったのか、転居したのか、老人ホームに入ったのか、まったくわからなくてね。Aさんが毎朝、散歩に連れていたミニチュアダックスフンドも全然見ていない」
その後、1年前にこの家にやってきたのが、柿本知香容疑者と亡くなった歩夢くんの母子だった。
真相を知るべく、都内にある丹羽容疑者の実家マンションを訪ねるも、応答はなかった。
事件発覚から6日目を迎える3月9日、現場周辺150メートル四方は規制線が引かれたままだ。そんななか、警察官5、6人が現場となった一軒家の庭をしきりに掘っている姿があった。その理由を聞くべく、埼玉県警本部に連絡するも、
「お応えしないことになっております」
という返事のみ。
“おかしな家”から出てくるものとは……。