細かすぎる性格だった容疑者
関係者によると、田原春容疑者は独身で数か月前まで新聞配達員だった。仕事上のミスが原因で退職する流れとなり、契約していたアパートも出ることに。
どんな人物なのか。かつて同僚だった男性は「よくしゃべる人でしたね」と話す。
「しゃべるんだけど、愚痴というか陰口が多いので辟易する同僚もいました。ほかの人は気にしていない些細なことに文句をつけ、ターゲットになった人がいないところでネガティブ・キャンペーンをして評価を下げようとするんです。そのくせ、本人の前では“わかりました!”とニコニコしたり」(同・元同僚の男性)
後輩への説教もちょくちょくあり、細かい部分を突いたという。これも本人に直接言わず、陰でダメ出しすることがあった。
「ただ、仕事ぶりはまじめでした。神経質な部分もあるので、自宅をゴミ屋敷にするとは思えませんでした。パチンコが好きで休日はよく行っていましたが、恋人や親しい友人はいなかったようですし、部屋を片付ける時間は充分あったはずですから」(同・元同僚の男性)
地域のゴミ出しのルールは、燃えるゴミが月曜日と木曜日。ビンと缶は火曜日。プラスチックは金曜日。古紙・段ボール・古着は隔週水曜日で、いずれも午前8時までに出す決まり。ゴミ集積所は容疑者宅から徒歩数秒の目の前にあり、不便は感じられない。
退去日は約2か月前から決まっており、猶予期間もたっぷりあった。
ほかの入居者を巻き込んでもおかしくない室内放火によって、天井は真っ黒焦げになり、ビニールなどのゴミが燃える悪臭に「有毒ガスは出ていないか」と心配する近隣住民も。隠していた大量ゴミは白日のもとにさらされた。
タバコを吸わなかったという容疑者だが、現場からは使い捨てライターが見つかっているという。
何がしたかったのか――。ゴミを自分で片付けなかったことだけは間違いない。