180センチの孫が90歳祖母を平手打ち
眉毛を剃って金髪にしたこともあり、どこを目指しているのか見当がつかない。近隣住民によると、ここ1〜2年のあいだに容疑者宅周辺にパトカーが駆けつけたことが複数回あったといい、何らかの家庭内トラブルがあったのではないかという。
孫の近況をみかねて、かずゑさんが小言をいう場面があったのだろうか――。
近所の女性は、
「いつもニコニコしているやさしいおばあちゃんで、孫を叱る姿は想像できません」
と首を振る。
かずゑさんは少しふくよかな小柄の女性で、デイサービスを受けていた。ひとりで杖をついて「しんどいわ〜」と言いながらも、険しい坂道を登り降りするなど健康そうにみえたという。
一方、成次容疑者は身長180センチ前後のがっちり体型で、「成績優秀で憧れの存在。運動神経もよくバレーボール経験があった」(同級生の女性)という。
事件を悲しむ多くの知人が「平手打ちで人は死ぬものだろうか」と素朴な疑問を口にするが、かずゑさんとの身長差で平手を打ちおろせば、力次第で頭にバレーボールのスパイクを受けたに等しいダメージがあってもおかしくない。因果関係の解明に捜査の進展が待たれるところだ。
成次容疑者が秀才少年だったころを知る女性はこう話す。
「家族が気の毒。ご両親はゴミを拾って歩くなど地域貢献に熱心で、人の悪口も言わないし、生活に困った人に住居や食事を提供するほど。成次くんも才能をハナにかけたところがなく、どうしてこんなことになったのか……」
自宅を訪ねて取材を申し込むと、容疑者の父親は玄関越しに「結構です。もう来ないでください」と言った。