今春、千鳥が番組から卒業。4月からはアインシュタインがMCを務めることに。
「6年半、千鳥さんに育てていただいた番組をさらに大きく成長させていけるよう、4月からはアインシュタインさんとともに“まだ見たことのないローカル番組”を模索していければと考えています」
動画配信サービスにコンテンツとして配信できるようになったのも大きな変化だろう。昨年秋に放送された、福島県いわき市出身の元テレビ東京・佐久間宣行プロデューサーとアルコ&ピースの平子祐希による『サクマ&ピース』(福島中央テレビ)は『アマゾンプライム』や『Hulu』でも配信中だ。
「福島県内のローカル放送も盛り上がりましたが、その後『TVer』ではローカル局の番組としてはトップクラスの再生回数になったと聞いております。また、映画やアニメでしか聞いたことがなかった“聖地巡礼”と称し、いわき市内を観光する視聴者が増えていて、SNSにはロケ先と同じ画角で撮影した写真をアップしている人なども見受けられ、私たちも驚いています」(『サクマ&ピース』の堀田泰裕プロデューサー)
人気ジャニーズもローカル局に進出
ローカル局に出演するのは(メンバーいずれかの)出身地というケースが多いが、出身地とは関係のないテレビ熊本で冠番組を持つのが、ジャニーズ所属のA.B.C-Zだ。
「2020年10月に、メンバーの塚田僚一さんが同局の情報番組『若っ人ランド』にリモートでゲスト出演。豪雨災害に遭った人吉市の映像に心を動かされたのがきっかけで、翌月から同番組の準レギュラーに。そして、昨年から冠番組『あっぱれ!A.B.C-Z』がスタートしました」(前出・テレビ誌編集者)
『あっぱれ!A.B.C-Z』の高津孝幸プロデューサーも、見逃し配信の影響をこう喜ぶ。
「今まで県外からのメールはほぼありませんでしたが、見逃し配信をご覧になった全国の方から、感想メールを数多くいただいております」
ローカル局ならではのスタッフとの距離の近さが、番組の魅力につながっているようだ。
「キー局に比べるとはるかに少ないスタッフで番組を制作しておりますので、スタッフとの距離感は感じていただけるのではないかと思います。全国区の番組では見せないような素に近い彼らや、彼らの思いを実現していく過程を見ていただけるのもローカルならではの魅力だと思います」(高津プロデューサー)