『たけし城』『料理の鉄人』も大人気
これまでにも日本のテレビ番組が、アニメ以外でも海外で人気となるケースは少なくない。
『風雲たけし城』(TBS系)は世界150か国以上で放送され、複数の国で“現地版”が制作されたほど。また『SASUKE』(TBS系)は世界160か国以上に広がり、『料理の鉄人』(フジテレビ系)はアメリカで英語吹き替えで放送後、『アイアン・シェフ・アメリカ』という番組を立ち上げた。
さらに『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)のコーナーで、人間のあるポーズにくり抜かれた迫りくる壁と、同じポーズをしてすり抜けないとプールに落下する『脳カベ』というコーナーが海外で人気になった。日本版が放送されたあと、現地版でリメイクされ人気番組になったという。
「たけし城や脳カベは、ゲーム性があるのでとても単純で見ていてすぐ面白さが伝わる。料理とおつかいは、国など関係なく誰もが通る道なので感情移入しやすい。大きく分けて、この2つのパターンがウケるのではないでしょうか」(前出・放送作家)
では逆に、海外で苦戦するであろう日本のバラエティーはどのジャンルになるだろうか。前出の放送作家は次のように分析する。
「日本で人気のあるタレントや芸人の特性に任せた番組はまず難しいですね。日本では視聴者がその人を知っている前提で番組を見ているので、そのまま放送したりフォーマットを売り出しても厳しでしょう」
しかしトークバラエティーでは言葉の壁が大きく立ちふさがるが、共通して好きなものを語る『アメトーーク』はひょっとしたら……と淡い期待を抱いているという。
何がウケるかわからないが、もしかしたら大きな鉱脈が日本の膨大なテレビ番組のアーカイブに埋まっているかもしれない。『はじめてのおつかい』の成功例で、各局は過去の財産を掘り起こしているに違いない。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉