公正取引委員会とジャニーズの件以降は

 今から約10年ほど前、自宅直撃がみられなくなったのと同じタイミングで、“きわどいネタ”の取り扱いもなくなった。テレビ局が事務所からクレームを受けるのを避けるようになったためだと聞く。芸能レポーターといえども、あくまで番組に雇われて出ている出演者であるため、テレビ局が不利になるような話をすることはできないだろう。あらかじめ芸能リポーターが話せる内容も制限される。

例の公正取引委員会がジャニーズ事務所に注意した件以降、事務所からテレビ局に対して圧力をかけることは少なくなったと言われていますが、その分、忖度が増えただけな気もします」(同・ワイドショースタッフ)

 インターネットの普及で、タレント自身が発信するようになってからは、披露してもいい情報は探せばネットに出ているし、悪い話はどこにも出せない。またコロナ禍で大きなイベントが中止になったり、囲み取材もなくなっていることで芸能レポーターの仕事はますます厳しい状況に置かれている。

極端な話、取材に行くのはディレクターで事足りるようになったんですよね。最近は囲み取材に芸能レポーターじゃなくてディレクターを行かせるところが多いです。質問できることはだいたい決まっていますし、自局のディレクターじゃなくてスポーツ紙の記者が質問しても映像的には問題ないですしね。人件費も節約になりますから」(情報番組プロデューサー)

 今後芸能レポーターのニューフェイスが誕生することは望めそうもない。ガーシーには二代目を襲名してもらいたいところだが、

「東谷さんがテレビ番組に出演することはまずないでしょうね。詐欺を行ったことなど、自身で犯罪者であることを公言しているのでスポンサー的にNGでしょう。ここ最近綾野剛が出演するCMを指して、起用しているナショナルクライアントを批判したりと、企業のウケも悪いです。

 ただ、規制の少ないネット系の番組は彼に興味津々だそうです。暴露が落ち着いたらオファーをかける番組もあるとききました」(民放ディレクター)

“影響力”の行方やいかに。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中