落とし物によって返還率に大きな差が
昨年、届けられた現金の総額は約33億8000万円。そのうち持ち主に返還された現金は約25億円だったが、物によって返還率には大きな差がある。
「昨年、現金の落とし物の最高額は2000万円で、持ち主に返されています。スマホなどの返還率は約80%、クレジットカードや運転免許証などは約75%の高い割合です。一方、衣類は約5%、傘に至っては約1%しか持ち主が現れませんでした」(五十嵐さん、以下同)
また、コロナ禍で意外な落とし物が目立つようになったという。
「小包などの箱物です。巣ごもり需要で“置き配”が増えたせいか、誤配された荷物が交番に持ち込まれることが多いようです」
珍しい落とし物について、さらに尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「例えば、入れ歯、松葉杖、似顔絵、盆栽など、人が持ち歩けるものは何でも届けられる可能性があります」
「落とし物」なのか、「捨てた物」なのか、判断が難しいものもあるという。
「椅子や、スーツケースなど大きいものが届くと、これを忘れる人がいるのかな?と不思議に思うこともありますが、“捜している人がいるかもしれない”との認識で受理しています」
また、意外に知られていないのがペットも遺失物として扱われていることだ。
「年間で約2100匹くらいの犬猫が届けられ、約8割が飼い主に返されています。ペットがいなくなった場合には、交番や警察署に遺失届を早めに提出し、あわせて都道府県等の動物愛護センターや保健所にも連絡してください」