次回の2019年には自民党比例区から出馬、前回を大幅に上回る540,077票(党内2位、当選者50人中3位)を獲得し、堂々当選を果たしています。
これらの団体がひしめく比例区の順位の予測は難航を極めます。ビッグデータとテクノロジーに基づく報道を掲げるJX通信社(米重克洋代表取締役)の情勢調査事業責任者の衛藤健氏は、「大手報道機関が公示直後に序盤情勢を掲載するのに先駆け、4月25日に全選挙区の高精度な調査を公開しました。比例区は、各党の獲得議席は予測できても、誰が当選するかの予測は実施しません。今回は投票率低下が懸念され、現況を的確に知り関心を持って頂くために実施しました」と語ります。
調査結果のポイントがこちらです。
●全国32の一人区のうち、24選挙区で自民党候補がリード ●複数人区では、愛知・京都・福岡などで日本維新の会の候補が議席を獲得する可能性がある ●岸田内閣の支持率は広島県で69.6%に上り全国最高、不支持率が支持率を上回る選挙区はゼロ ●約半数の有権者はまだ態度を明らかにしていないほか、各党の候補者擁立も完了していないため、情勢は流動的
さらに、「投票率アゲアゲ!選挙でポイ活祭」と銘打ち、「運営するニュース速報アプリ『NewsDigest(ニュースダイジェスト)』内で、投票に行ってアンケートに答えると、最大100万円相当のポイントがもらえます」とのことです。
近年の選挙は、レーダーのごとく戦況が当事者や有権者にも見える化が進んでいます。 そんな中でも、全選挙区の予測や投票率向上で技術革新が進む中でも、日本全国で各候補がどれだけ得票できるのか見極めるのは難しい。毎回当選させる職域別の後援会でもない限り、雲をつかむような戦いを、とにかく総力を挙げて続けるしかありません。
直前のエラーは致命傷。与野党ともに厳戒態勢に
6月11日、奈良文化会館の佐藤啓前経済産業政務官の決起大会では、参院幹事長として参院選の指揮を執る世耕弘成氏は、「こと選挙に限っては、短いようでここからが長い長い。1998年の橋本龍太郎総理の恒久減税をめぐる発言のブレ、2007年の消えた年金問題で、一気に逆風になって惨敗した。エラーが出ると、引き締め直す間が無い」と気の緩みへの警戒心を募らせます。
長丁場のマラソンに似た参院選も、競技場がどんどん眼前に迫る終盤に差し掛かりました。各党ともここでのミスは命取りになるので、厳戒態勢に突入しています。昨年の総選挙では、直前には他を寄せ尽けぬ貫禄の大物議員が次々に苦渋を舐めたのは、記憶に新しいところ。自民党幹事長の甘利明氏と民主党元代表の小沢一郎氏が小選挙区で敗退(比例区で復活)、自民党元幹事長の石原伸晃氏と立憲民主党で次期代表もあり得た辻元清美氏が、比例復活すら果たせず、辛酸を舐めました。
既に与野党とも、「参院選後」の党内の主導権も見据えています。
政界関係者が「参院選」と聞くと、灼熱の太陽が即座に浮かびます。6月も下旬となると、一気に気温が上昇します。コロナ第6波の間は、ホールでの集会も空席が散見されました。6月12日の、大阪OMMの松川るい元防衛大臣政務官の憲法改正セミナーでは、元総理の安倍晋三氏の講演も相まって、2700人もの人波で会場もパンクしていました。前回は、遅いパターンの7月21日執行であったため、猛暑の戦いとなりました。今回は半月早いパターンの7月上旬ですが、それでも暑い。政界は既に“真夏”よりヒートアップしています。