そして、デビュー曲『勝手にシンドバッド』にはこんな声が。
「コンサートで最高に盛り上がる曲。40年以上たっているとは思えないパワーがある」(大阪府 54歳男性 会社員)
「カラオケで“今何時!”とみんなで騒げる。歌っていて楽しい」(埼玉県 57歳女性 専業主婦)
「初めて聴いたとき、衝撃的だった。何を言っているのかわからなかったけど、耳に残るメロディー、軽妙な感覚にハマりました」(神奈川県 59歳女性 専業主婦)
これらの曲が持つパワーについてスージーさんは、次のように話す。
「'78年から'79年は『勝手にシンドバッド』『いとしのエリー』で、サザンが日本の音楽シーンに新しい風を吹かせた時期なんです。
この2曲は1枚目と3枚目のシングルですが、対極的な作品です。『勝手にシンドバッド』ではジョギングパンツで大騒ぎしながら走り回って歌っていた兄ちゃんが、ビートルズのようにメロディアスないい曲を書いた。どちらも衝撃でしたよ」
そして「何を言っているかわからない」という意見には、桑田佳祐が紡ぐ歌詞の世界についてこう説明。
「確かに歌詞の内容もわかるようなわからないようなものが多いです。胸さわぎする腰つきって、どんなだよ、と僕もいまだにわかりません(笑)。でも、曲の2番で江ノ島が見えてきて、自分の家も近くなる、というくだりがありますよね。あの表現が、桑田佳祐のセンチメンタリズムなんです。
光景が浮かんでくるじゃないですか。僕は大阪出身で江ノ島を見たことがなかったんですけど、あの歌詞を聴いたとき、大阪湾の向こうに江ノ島が見えました(笑)」