命の危険が迫ったとき激しく対立していた両者は……
“国か、命か。それは語ることを許されなかった14日間の真実―”1990年、韓国と北朝鮮はそれぞれ国連への加盟を目指し、多数の投票権を持つアフリカ諸国へのロビー活動に励んでいた。
ソマリアの首都・モガディシュでも、互いに相手国への妨害工作や情報操作がエスカレート。そんな中、内戦が激化し国は大混乱に。各国の大使館は略奪や焼き討ちに遭い、命の危険が迫る。通信網は遮断され空港は閉鎖。脱出の道が断たれる中、暴徒に大使館を追われた北朝鮮大使は韓国大使館に助けを求める決意をする……。
政府レベルでの接触はあったものの、南北の人々の相互不信と疑心暗鬼は根深かった1990年代初頭。劇中でも、韓国大使館に助けを求めようとする北朝鮮大使に、参事官は「帰国したら粛清される」と必死で止めようとし、韓国大使館側も招き入れるべきか逡巡する。激しく対立していた両者が協力するなど、考えられない時代だったのだ。
わずか30年前に現実に起きた衝撃の人間ドラマに、胸をつかれること確実!
名優集結!個性豊かな登場人物たち
ハン・シンソン(キム・ユンソク)
リム・ヨンス(ホ・ジュノ)
カン・テジン(チョ・インソン)
テ・ジュンギ(ク・ギョファン)
人間味あふれる登場人物たちも、今作の大きな魅力だ。韓国大使のハン・シンソンは情が深く、困難な状況を打破するために奔走するリーダー。
“大ヒット作にこの人あり”と言われるキム・ユンソクの名演が光る。また、参事官のカン・テジン(チョ・インソン)は、毒舌でプライドが高いが、生きるための知恵と行動力に優れ危機を突破していく。リュ・スンワン監督はキム・ユンソク、チョ・インソンと初めて一緒に仕事をした感想を聞かれ、「日本語で最高の状態を表現できる言葉で書いてください!」と絶賛。「この世で誰よりも先に『モガディシュ』で演技をする彼らの姿を見ることができて本当に光栄でした」
北朝鮮側のリム・ヨンス大使は、物静かだがカリスマ性にあふれる堂々とした大使。ベテラン俳優のホ・ジュノが、国家の主義主張に従うという理念と家族への愛情との間で苦悩する姿を、いぶし銀の名演技で魅せる。参事官のテ・ジュンギ(ク・ギョファン)は好戦的で感情の起伏が激しい熱い男。韓国と協力することに抵抗していた彼が14日間でどう変わっていくのか。ク・ギョファンの、独特のユーモアと哀愁を漂わせた熱演も注目!