泉谷しげるとは馬乗りになっての殴り合い
拓郎の大学時代の後輩である前出の蔭山氏は、
「拓郎さんは〝陽水は本当に頭がいい。俺は3手先まで読めるが、あいつは7手先まで読む。陽水みたいなやつは会ったことがない”と打ち明けてくれたことがありました」
腹の探り合いでもしていたのだろうか……。
一方で泉谷と拓郎はたびたび激しくぶつかった。
「ムッシュかまやつの誕生日会では床を転げまわって、泉谷が拓郎に馬乗りになって殴り合いをしていました(笑)。よく喧嘩していましたね……」(常富氏)
しかし、泉谷のこんなエピソードも。
「2人の関係が悪いときに、泉谷さんがライブで〝大っ嫌いなヤツの曲をやります”と言って、拓郎さんのデビュー曲『イメージの詩』を歌ったんです。泉谷さんは拓郎さんを本当は大好きなんだなって思いました」(泉谷のファン)
拓郎が嫉妬していた人物は、ほかにも。
「小田和正さんです。当時はフォークバンド『オフコース』に所属していた小田さんですが、当初は拓郎のほうが売れていたんです。小田さんが〝拓郎みたいな曲が書ければ俺も成功するんだけど”って言っていたのを聞いたことがありますよ。
『オフコース』が売れてくると、拓郎は〝俺はあんな曲できないよ。♪さよなら、さよなら なんて、あー気持ち悪い”って嫉妬して(笑)。冗談めかして言って、悪意はないんですけどね。今もお互いを尊敬し合っています」(常富氏)
拓郎のラストアルバム『ah-面白かった』にも小田は参加している。長きにわたる交友は、続いていく─。