飼い主が見極める動物病院のポイント

 初めての動物病院に行く前にはまず、ホームぺージをしっかりとチェックしたい。

「よい動物病院は、獣医師や動物看護師などスタッフの顔写真とプロフィールをホームページに掲載していることが多いです。獣医師会や学会などの所属をはじめ、認定医資格の有無などを確認してください」(Y獣医師)

 定期的に見ていると、スタッフの入れ替わりが激しい動物病院もあるはず。

「こうした病院は院長のパワハラがあったり、労働条件が過酷すぎたりと、ブラックな職場でスタッフのモチベーションが低い可能性が高いでしょう」(X獣医師)

 院長が身近なスタッフを大切にできず、スタッフが疲弊している動物病院は、患者への対応にも不信感を抱かずにはいられない。

 また、飼い主の利便性まできちんと考えている動物病院であれば、ホームページがスマホ対応にもなっていると、Y獣医師は述べる。

 飼い主はホームページから複数の情報を読み取ることで、悪い動物病院にかかる確率を下げることができる。

「できれば飼う前から動物病院に足を運んでほしいです。自分のライフスタイルや性格に向いた犬種、保護猫や保護犬を迎える際の注意点、ワクチンの種類や進め方についてなど、何でも気軽に質問できる獣医師やスタッフがいるこのが“いい動物病院”です」

 このように語るY獣医師は、動物病院を訪れた際に、飼い主の目などで判断できるポイントも教えてくれた。

 まず、軒先や院内の植物の手入れがされているか。生き物の健康管理を行う場所なのに植物を枯らしているようでは、犬や猫に向かう意識に対する信頼度も低くなる。

「造花を受付に置いているところもおすすめしません。空気清浄効果のあるフェイクグリーンもありますが、手入れをしないとホコリがたまって不衛生。飾りたいなら本来は生花のほうがいいですよ」

 待合室を含め院内が清潔かどうかも、重要なチェックポイントのひとつ。

「ホコリがあったり、臭かったり、整理整頓されていない場合は要注意。飼い主さんが見ることの少ない手術室や入院室なども不衛生で、動物たちにきちんとした対応ができていないおそれがあります」

 両獣医師が口をそろえて重視したいと述べたのは、医療機器の新しさだ。

「超音波(エコー)検査機器は特に、昔のものと比べると性能が向上しており、悪性腫瘍(がん)や心臓病などの早期発見に役立っています。健康診断でも活用できる超音波機器は“いい動物病院”ならば新しいものを導入しているでしょう」(Y獣医師)

「当院では最新式の麻酔モニター、電気メス、人工呼吸器を導入したことで、より安全に手術を行えるようになりました」(X獣医師)

 医療設備に関してはホームページに掲載している動物病院も多く、事前に確認したい。