胸の前で腕を組んでいる護衛がいた
今年4月、上皇ご夫妻が神奈川県・葉山町にある葉山御用邸で静養された際や、秋篠宮ご夫妻が三重県・伊勢神宮を参拝された際にも、私服姿の警察官が警備にあたっていた。
今回の銃撃事件によって、日本の警備上の甘さが露呈したともいわれ、国内外から“テロができる国”というレッテルが貼られた場合、その危険が皇室の方々に及ぶことも考えられるだろう。冒頭のように、宮内庁長官は「警備体制が変わることはない」と語っていたが、
「皇室にとっても“対岸の火事”ではない。6月25日に、刃渡り17センチの包丁と皇室を批判する文書が宮内庁に送りつけられる事件がありました。
2019年には、お茶の水女子大附属中学校に通われていた悠仁さまの机にナイフが置かれたこともあります」(前出・記者)
現在、筑波大附属高校1年生の悠仁さま。皇族を初めて迎え入れた同校の警備や警護について、とある在校生は懸念を示す。
「警備に力を入れると話していたけど、心許ないですね。部外者が校門を通過するのは簡単そうに見えます。悠仁さまは登校されるとき、学校から少し離れたところで送迎の車を降りて、徒歩で校舎へ入られます。SPは数メートル後ろにいますが、その“間合い”も気になるところです」
なかには「自分たちにも影響があるのでは」と、恐れる生徒もいるという。前出の記者も憂色を浮かべる。
「近年、皇宮警察に関する不祥事が相次いでいます。今年2月には皇宮警部だった40代男性がパチンコ店で窃盗。2020年3月には皇宮警察で未成年飲酒や“のぞき”があったとして幹部や護衛官ら30人前後が処分されました。伝統ある組織なだけに“パワハラ”が横行し、内部では皇族方への悪口がはびこっているとも報じられ、忠誠心や素行に疑いのまなざしが向けられています」
不安は尽きない中、今後の警備や警護における改善策について、前出の佐々木氏に聞いてみた。
「何よりも大切なのは“意識改革”。安倍元首相の銃撃事件で驚いたのは、胸の前で腕を組んでいる護衛がいたことです。腕組みは、初動が数秒遅れてしまうためタブーです。“自分の身を呈して守る”という大原則に忠実になることが、いま最も必要でしょう」
警護対象者を守れない“失敗”を二度と繰り返してはならない――。