ただ、この手のタイプは一発屋に終わりやすい。戦場カメラマンの渡部陽一や、ローラの二番煎じ・水沢アリーなどがそうだ。しかし、この人は息が長く、かれこれ6、7年、この芸風で人気を保っている。
本物の天然か、計算も働かせているのか。ドラマなどではそれなりに芝居もできているので、真相は謎だが、最近は謎のまま、そういうものとして認知されつつあるようだ。
また、父がウクライナ人であることから、今年は別のかたちでも注目された。ロシアがウクライナに侵攻した10数日後、架空の国が侵攻された悲劇を描いたアニメ映画について、
《訳もわからぬ量泣きました。(略)こんな悲しい世界があるのならいまの世界はどれだけ幸せなのだろう》
という感想をインスタで投稿。フィクションに託して、平和への思いを語ったのではと話題になった。
彼女は不思議ちゃんでありながら、いたってまじめな人でもあるという受け止められ方なのである。
これと似ている人が、別のジャンル(?)にいる。大食いタレントのギャル曽根(36)だ。この人もかつては謎めいた存在だった。が、最近はその異能について、もはやそういうものなのだと認知されつつ、その主婦的な普通っぽさでも支持されている。
ちなみに、ギャル曽根の夫はテレビマンの名城ラリータで、前出の『脱力タイムズ』の制作総指揮をしている。興味深いつながりだ。
なお、ギャル曽根は結婚、出産によって、タレントとしての安定感を増した。カレンもそうなりそうな予感がする。
それにしても、夫になった一般人はどういう男性なのだろう。カレンとの会話、楽しそうだが、ついていくのはやっぱりちょっと大変かも。
PROFILE●宝泉薫(ほうせん・かおる)アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。近著に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)