フォロワーは興味を持ってもらうための“名刺”にすぎない
こうした芸能活動を経て、セカンドビジネスも開始している。医療美容の『HADA LOUNGE』を監修、またブランド『AIMERTE』でシャンプーのプロデュースなどを手がけている。だがここでも彼女は自身を客観視する。
「フォロワー数が何十万人と言ってもコアなファン層はその1割以下。実際イベントを行っても、来て下さる人数はせいぜい1万人でしょう。また、私のように水着の写真ばかりアップしているのもビジネスにはマイナスに働きます。だって私も嫌ですもん。たとえ良質なシャンプーを作っている人でもグラビアばかりアップしていると大丈夫か? ってなりますし。
なので、商品開発や展開をする時は、くりえみという個人から切り離しても価値があるものを目指しています。インフルエンサーだとしても、それにあぐらをかいていてはダメ。フォロワー数は私にとって興味を持ってもらうための“名刺”に過ぎません。ビジネスは“私”抜きで需要があるものないといけない」
元々は女優志望だった。原宿の竹下通りを何度も往復してスカウトに声をかけられたのがはじまりだったが、現在は当時思い描いていたものとは全く違う人生になっている。「第三者視点で自分を俯瞰して、才能がないな、と思ったことはすぐに見切りをつけて次にいく」と語る彼女の生き方は、SNSが当たり前になった“これからの世代”にも通用することだろう。
「芸能界に限らず、可能性を秘めた若い子たちに無理だって言い切ってしまうのは、ほんとにまずいなと思います。私なんかは“この人、めっちゃ目が節穴じゃん”と考えられるタイプでしたけど、真に受ける子たちもいるでしょう。
『これはこうだから向いてないんじゃない?』といった意見ならわかるんですよ。そういった指摘と決めつけは違う。私は無理って言われたことも“無理じゃない”に変え続けた。だからこれからもやり続けられると思う。自分がこう行きたいなって方向に」
SNS時代の今を象徴する彼女の“これから”に目が離せない。 (文・衣輪晋一)