次に出発したときは全部ババロアで(笑)
東京・明治座での座長公演『氷川きよし特別公演』は連日、満員御礼のまま千秋楽を迎えた。7月23日からは舞台を大阪・新歌舞伎座に移し、“ザ・エンターテイメント”を届けている。
第一部のお芝居は『ケイト・シモンの舞踏会~時間旅行でボンジュール~』。氷川演じる子門慧音が、18世紀のフランスにタイムスリップ! コンビニ店員、ジャンヌ・ダルク風、アルセーヌ・ルパン風……など1人6役、大車輪の活躍を見せる。中でも教育係のメイド・ババロア役が好評で、本人もお気に入り。
「明治座の最初のころはほとんどシワがなかったのに、日に日にエスカレート。あちこちにシワ、クマを描きまくって、目もテープを貼って、もうしわくちゃのぐしゃぐしゃ(笑)。全部、自分でやっています。やっぱり、役柄を演じるときはなりきらないと! やるからには中途半端じゃなく、徹底してやりたいから」
くるくると衣装と役柄が変わっていく舞台の中で、それは大変なのでは?
「大変だけど、やっぱり客席の反応が楽しい。喜ばれることが好きですから」
と、誇らしげにニッコリ。物語においては、ババロアから『ベルサイユのばら』のオスカルを彷彿とさせる衛兵へとチェンジ。
「やっぱりメリハリが欲しいので。あまりにババロアが好評なので、YouTubeに『ババロアの大冒険』をアップしたんですが、2万5000回くらい再生されていて。次に新しく出発したときには、全部ババロアでお芝居しようかなと思っています(笑)。もう2時間、3時間、ひとりでやれますよ。おしゃべりが止まらないから(笑)」
新歌舞伎座の千秋楽は8月5日。その後、8月15日~27日は福岡・博多座、9月5日~15日は愛知・御園座が控えている。
「とにかく体調に気をつけて、全公演成功させたい。コロナ禍だけど、中止になるようなことは絶対に避けたい。座長として、キャストやスタッフに徹底してお願いをしています。対策は厳重にしているので、気分転換で劇場公演を見てもらって、気持ちを明るくしてもらいたいなと思っています。そして“やりきった”という達成感で東京国際フォーラム(クリスマスコンサート『きよしこの夜』)、年末へと向かいたい。それもすべて成功させたいです」
並々ならぬ思いのもと、熱い夏を駆け抜けるーー。
最近の“こりごり”は?
「うーん。やっぱり人が多い場所はこりごりですね。今は座長公演中なので、自分に何かあったらみんなに迷惑をかける。本当にみんなで一生懸命やっているので。だから人混みをなるべく避け、緊張感をもって日々過ごしています」