見た目で人を判断したり、容姿を理由に差別したりする『ルッキズム』を見直す動きが今、世界に広がっている。えみっくすさんは、その風潮をどう捉えているのか。
「私自身、デブだけど顔が橋本環奈という外見で評価されているので、ルッキズムの考え方を完全に否定はできません。だけど、私が『職業=デブ』と自称することで、言葉の印象は変えていけると思っています。
痩せるとあか抜けるみたいに語られる風潮があるけど、私は太った今のほうが、あか抜けましたから。髪の毛を手入れしたり、メイクしたり、あか抜ける方法は痩せることだけじゃない。髪の毛が生えるように、ほくろがあるように、太っていることも、ただの“状態”になればいいと思ってます」
体型を肯定できている今の自分が好き
ボリューミーな量と脂の多い豚系スープが特徴の『ラーメン二郎』が大好き。1日お米を3合ほど食べるというが、健康には気を遣っている。
「デブ=不健康って思われちゃうんですよ。例えば、睡眠不足が原因で体調を崩したとしても、“デブだから”って言われる。Yahoo!コメントにも『可愛いけど、健康が心配』と書き込まれたり……(苦笑)だから、野菜はたくさん摂ります。あと、最近は歩数計アプリの『ピクミン』にはまってて、1日3万歩くらい歩く日もあるんですよ!」
100キロ以上の人をレンタルできるサービス『デブカリ』に所属し、1時間2000円で「一緒に食事をしたい」「買い物に付き合って」「恋愛相談に乗ってほしい」など、いろんな要望に応えている。
まさに、新しい形の「会いに行けるアイドル」として、多くの人を元気づけている。
アイドルを夢見たことで、「細身体型」をシビアに求められ、嫌というほど周囲と比較された。だが、その夢にしがみついたことで、彼女の価値観は大きく変わった――。
現在の収入は、「アルバイトを毎日する大学生より少ない」というが、いまの生き方を気に入っている。
「100%体型を肯定できている今の自分が好き。人からの意見も卑屈に捉えず、明るく受け止められるようになったから。
でも、実はまだ両親にちゃんと話せていないんです。もっと売れたら、自分から報告したい。ちゃんと仕事していれば、きっと認めてくれると思います」
長年の夢を叶えたいま、その眼差しにもう迷いはない。