「おふたりの婚約内定が報じられたのは、昭和天皇が崩御されてから約半年後。国民が経済活動を自粛していた時期に、しかも当時皇太子さまだった兄君よりも早くに結婚を“強行”されました。
当時、秋篠宮さまは23歳、紀子さまは22歳と若かったとはいえ、“本人たちの気持ちが第一”という考え方は当時からブレてはいません。眞子さんの結婚についても、紀子さまは“本人の気持ちをできる限り尊重する”というスタンスを貫かれました」(前出・宮内庁OB)
紀子さまの肉声文書は“メッセージ”
来たる9月11日、紀子さまは56歳をお迎えになる。お誕生日に際し、新聞社やテレビ局が所属する宮内記者会から事前に提出された質問に、文書で回答される。質問内容は宮内庁サイドにはすでに提出されているといい、
「全3問で、“この1年の振り返り”と“佳子さまや悠仁さまへ期待すること”、そして“眞子さんの結婚への受け止め”の見通しです。例年とは大きく変わらない内容ですが、今回のポイントは佳子さまの結婚について。“お相手報道”が出てから日が浅いこともあり、慎重にお言葉を選ばれる必要があると思います」(皇嗣職関係者)
これまでも、お誕生日に佳子さまのご結婚について言及される機会はあった。'20年は《本人の考えに耳を傾け、対話を大事にしていきたい》、昨年は《次女の意見をよく聞いて、家族の語らいを大事にしていきたい》とコメント。
“対話”や“語らい”といった表現について、前出の小田部教授はこう解説する。
「今回もそのような表現が盛り込まれるでしょう。紀子さまには、秋篠宮家に対する国民からの信頼を損ねてしまった一因に、眞子さんとの間の意見の調整がうまくいかなかったという反省がおありなのだと思います。皇位継承者の妻にあたる『皇嗣妃』として、そして母として、自由を尊重して育てられた佳子さまとの“妥協点探し”が課題になるのではないでしょうか」
今年12月で28歳になられる佳子さま。同世代の結婚ラッシュや、皇室を離れた姉の存在によって、結婚が身近になったことは想像に難くない。
「お誕生日に公表される“肉声文書”は、ご一家の近況や内情を国民が知ることのできる貴重な機会だけでなく、ご家族に向けた“メッセージ”でもあります。佳子さまに対し、どのような胸中をしたためるべきか、思い悩まれていることでしょう」(前出・皇嗣職関係者)
“正解”を求めて、紀子さまの母心は揺れ続けている─。
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代史皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』(星海社新書)など著書多数