風俗に救いを求めて

――風俗というサービスや利用する人の心理をどのように考察していますか?

 肉体的な問題だけではなくて、埋められない孤独とか、圧倒的にうまくいかない人生や欠落みたいなものを少しでもぼやかそうしている。ここにきてお金を払えばそういったモヤモヤと性欲を一挙解消できる気がしちゃう。ハッピーセットみたいなものを求めてるんだと思います。

 女性なら、何か心配事が起きたときに、同性同士で癒せる部分が結構あると思っていて。私も実際大小様々な悩みを、女友達に寄り添って解消してもらったし、ばーっと喋ってスッキリできる。でも、男の人は多分、感情的なモヤモヤを抱えたときに、同性同士で「こういう不安があってさ~」と打ち明ける機会が少ない。私が思うに、男性は基本溜め込んで、モヤモヤは全部彼女や妻にぶつける人がわりといるんじゃないかと。それが叶わない人、もしくは相手がいてもぶつけられない人が、風俗に救いを求めているような気がします。

 描いていた当時は風俗を利用する人の気持ちがわからないって思っていたんですけど、今って女性向けの『東京秘密基地』とかってあるじゃないですか。存在を知ってから、ホームページをしょっちゅう徘徊してたんですけど、在籍している男性が迷うくらいたくさんいて、みんなかっこいいし可愛いんですよ。どの人がいいかな、でも、利用するのはさすがに……と悩んでいたら毎回朝の4時ぐらいになっていて、結局呼んだことはないんですけど。

 少し前までは女性用風俗ってここまで充実していなかったと思うんですよ。だから、リーチしようとする女性も少なかった。でも、今は普通に街で出会ったら恋が始まりそうな男性と、風俗でお金を払えば介入できる。ネットで調べてサクッと呼べる利便性もある。男女ともにそうなったんですよね。女性も環境があれば、女性も男性と同じようにモヤモヤを埋めたいことは変わらないと感じています。

――女性用風俗を利用しようとしたのは意外でした。ちなみに、旦那さんはご存じなのですか?

 まさか。結婚していた時、前の夫さんは週に一回程度、完全にご本人の任意のタイミングで帰宅されてたので、逆にどんだけ寂しくてもそういうのは呼べなかったですね、いつバッティングするかわかんないので…。あとやっぱり風俗は浮気と同等って私自身思い込んでいるので無理でした。

 

――え!? 離婚されていたとは。いつ、どういった理由からだったのですか?

 離婚したのは今年の春ですね、理由言い出すとキリないけど相性じゃないですかね。前は私の方で課題があるほど燃えるというか、難しければがんばって乗り越えれば良しという根性があったのですが、年を重ねて何事も相性だなって思います。

――二度目の離婚となりましたが、また結婚したいと思いますか?

 結婚自体は良いものだと思ってます、自分の妹とか、ちゃんと話し合えてうまく行ってる夫婦は素敵だなと思うし。幸運にも縁があればするんじゃないでしょうか。

<取材・文/ツマミ具依 撮影/山田耕司>