子ども食堂や学習支援などの活動を説明すると、両陛下は地域との交流やコロナ禍での苦労について質問されたという。
こども園を利用している小学生や、ボランティアの高校生・大学生と懇談した際には、こんな出来事もあった。
「両陛下とやりとりする中で、小学生が言葉に詰まってしまうことがありました。黙って間を置くべきか、別の子に話を振るべきか私が悩んでいたところ、雅子さまが“こういうところが楽しいのかな?”と、子どもの目線に合わせて、答えやすいようにお声がけをしてくださいました。優しい眼差しとあたたかいフォローが画面越しに伝わり、子どもたちの緊張もほぐれていきました」(真手園長)
“大事な夏を乗り切った”ことに安堵
ノーマスクでの会話は、リモートならではのメリットだ。 7月27日、雅子さまは約2年7か月ぶりの“皇室外交”をまっとうされた。
「インドネシアのジョコ大統領夫妻をお住まいに招かれました。淡いピンクの着物をお召しになった雅子さまは、大統領夫人に出身地を質問されたりしたといい、お見送りの際には、両手を合わせたインドネシアの挨拶を披露されました」(前出・記者、以下同)
8月に入ってからは、皇后としての“重要公務”を立て続けにこなされた。
「8月10日には優れた看護師などに贈られる『フローレンス・ナイチンゲール記章』の授与式へ。日本赤十字社の名誉総裁として出席し、3年ぶりに受章者に記章を手渡されました。この式典は、皇后さまが単独で出席される数少ない公務のひとつで重みもありますが、緊張を感じさせない柔和なご表情でした」
翌週の終戦の日、8月15日には天皇陛下とともに『全国戦没者追悼式』へご参列。
「雅子さまのご体調はいまだに波があり、公務に出席するかどうかは基本的に直前までお決めになりません。ですが、雅子さまのご臨席なしには成り立たないこれらの式典には、前もって出席のご意向を示し、準備してこられました。
追悼式を終えて会場を後にされる際、沿道で手を振る人々に対して会釈を繰り返される雅子さまは、“大事な夏を乗り切った”ことに安堵されているようにも見えました」
国民の前にお出ましになる機会は多くなくとも、“今できること”を着実に遂行しておられる雅子さま。そんな中、ついに地方公務再開の兆しが見えた─。