プロデューサーにも話を聞いてみた

 ワタミ創業者であり代表取締役会長兼社長の渡邉美樹氏も『梨泰院クラス』を全話見ていたという。自身が仲間たちと店を大きくしようと頑張っていた若いころを懐かしく思ったそうだ。社員の方にドラマを見るようおすすめもあったとか。今回のコラボから揚げは、ワタミ側からさまざまな案を出したという。

「第2弾のから揚げは平手さんが演じるインフルエンサー役の葵も考案に関わっている設定だったので、見た目にもこだわりたいという話になりました。それで、駄菓子店で売られているようなシュワシュワする白い粉を振ったものに。メニューのアイデアはこちらが提案させていただきました」(同・ワタミ広報)

コラボ第2弾の『にんにくコーラから揚げ』。まぶされた白い粉が特徴
コラボ第2弾の『にんにくコーラから揚げ』。まぶされた白い粉が特徴
【写真】六本木クラスの撮影でちょっとお疲れモードの竹内涼真、その格好があまりにもキュート

『から揚げの天才』にコラボ商品の話があった段階で、ドラマ内で使用するメニューもコラボ商品にすることは決まっていたようだ。だが、チゲがから揚げに変わった経緯はコラボありきというわけではなさそう。

 さらに真相を探るべくテレビ朝日に問い合わせると『六本木クラス』の番組プロデューサー西山隆一さんに話を聞くことができた。

本家『梨泰院クラス』の純豆腐チゲですが、最初から日本が舞台の『六本木クラス』でやるには違うよねとスタッフの間で話していました。メニューはいろんな候補が出ていて、ラーメンや蕎麦にしようという案もありました。ただ、麺類がメインだと、お店の業態自体も変わってきますよね。『梨泰院クラス』が飲み屋だったことから、いわゆる“日本の居酒屋”でいこうとなり、その中でのメニューをと考えました。

 実際ドラマにも登場しましたが、もつ煮込みがいいんじゃないか、という意見は有力でした。ただ、結局、から揚げになったのは、一般家庭の味でありながら、日本では特化した専門店もある。そして大手チェーンもやっているのがこのドラマの設定にぴったりだったから。竹内さん演じる宮部新という個人がお店で名物料理としてやっていてもおかしくない。そうした理由でから揚げになりました」

 さまざまなメニュー候補があったものの、から揚げがドラマの設定として合っていたようだ。から揚げであれば、専門店もたくさんあるため、せっかくならタイアップができたらいいとワタミに声をかけた。

「ワタミさんの本社に6、7回は通いました。熱心に取り組んでいただき、毎回10種類以上、試作品を出してくれて。キッチンのある場所で、試食やディスカッションを重ねました。肉をやわらかくする効果のあるコーラを仕込みの段階で使うというアイデアは昔からあるようですが、最近、専用コーラも発売されたそうですし話題性としてはいいですよね」(西山さん)