“くず鉄”と呼んで区別
脚立に乗って撮影することについては「通行の妨げになる、脚立から転落しケガをされる、ホーム上の安全確認や列車運行の妨げとなるなど、さまざまな危険性があると考えております」と回答した。
撮り鉄による問題行為は増加する一方で、内容も悪質になっている。
「今年8月には近鉄名古屋駅で電車の前照灯が点灯している状態での写真を撮影したいがために、非常停止ボタンを押して、前照灯をつけるように要求。結果的に発車が約1分20秒遅れました。
同じく今年3月、島根県津和野町にある本門前踏切付近では、私有地に無断で入る、勝手に枝を折るなどのトラブルが相次ぎ、町が無料の駐車場と撮影スペースを開放するに至りました。'20年には、新潟県長岡市の妙法寺駅近くで、水面に映った車両の写真を撮影したいと、田んぼに勝手に水を張る事件が起きました」(一般紙記者)
ルールやマナーを守らない一部の人によって、周辺住民や利用客、駅員にたびたび迷惑をかけている撮り鉄。当の撮り鉄はどう考えているのか、話を聞いた。
「迷惑をかける人がいるのは事実ですが、マナーを守って撮影している人がほとんどです。一部の人たちの行動で撮り鉄全体が肩身の狭い思いをするのはつらいです。鉄道ファンには、乗ることを楽しむ“乗り鉄”など、さまざまな分類がありますが、迷惑をかける人たちを“くず鉄”と呼んで区別する人もいます」
いきすぎた愛情で暴走することはやめてもらいたい。