ケース3. 家事も育児も境界がない「なんでも屋」。神経すり減らすベビーシッター業務
50代のCさんが始めたのが、ベビーシッター業。
シッターのみの契約でお宅に伺っているのに、皿洗いや床掃除、お風呂掃除やトイレ掃除などもやってと言われることが多々ある。その間、依頼人は家にいて、われ関せずでゴロゴロ。子どもの命を預かっているだけでも緊張感があるのに「なんでも屋」だと勘違いされ、ストレスで身体を壊した。
ベビーシッターが行える業務内容とは、通常、子どもの保育園や習い事などへの送り迎え、ご飯を食べさせる、子どもが食べるものの買い出し、一緒に遊ぶ、入浴時の見守りなど。
ただ、ベビーシッターを請け負っている業者の中には、規定の中で子どもが服を汚したら、シミになりにくいように水洗いしておいたり、食事のあとは食器が洗いやすいようにつけ置きしておくなどもシッターの仕事として定めているところもある。家事と区別する際に微妙なところではあるが、決してシッターが服を洗濯したり洗い物をしたりすべきとは書いていない。
事前にこうした仕事範囲を明示していても、依頼者からその範疇を超えた要望を受けてしまうことも少なくない。自分ひとりで他人の家へ行っていることもあり、判断も難しく断りづらいのが現状だ。
これを防止するべく、多くのベビーシッター業務を請ける企業では、「よくある質問」などに請けられる依頼内容を挙げているほど。そこまでしているということは、つまり、仕事の範疇を超えた依頼がたびたびあるということだ。
また、利用者にドタキャンされて収入が減ったというケースも。
「今日は母に見てもらえることになったのでキャンセルにします」……前述のCさんは当日に軽く告げられ、ため息しか出なかったという。
予定の終了時間になっても保護者が帰宅せず、連絡すら取れないという場合もあるそう。シッターの延長が可能な業者は多いが、請けている側からすれば、予期せぬ延長は勘弁してほしい。
消費者庁には副業に関するトラブルの事案が記録されている。悪質なものや似たような事案が多いものは、注意を促すために情報が開示されているため、自分が似た経験をしていないか確認するのもおすすめ。
次に紹介するのは「高額な報酬」をうたい、「手軽そう」と手を出してしまった例。ズバリ、詐欺のケースだ。