45年生きられて「ラッキー」の理由

 改めて、45歳おめでとうございます!って、年齢をがっちり出すのってあんまり?

「あはははは、そうかもしれないですね(笑)。でも45年生きられたことはありがたいし、本当にみなさんのおかげだし、すごくラッキーだなって思うんです」

 と、神妙な面持ち。10代のころは、自分らしくはいられなかったと振り返る。

「どうしても社会のルールとか、周りと一緒じゃないといけないとか。今の40代って、そういう横並びの風潮が強い中で育ってきた世代だと思うんです。

 今の20代の子なんて“自分は自分らしくですから!” “周りは関係ありません!”といった強さがあるけど」

 子どものころはハキハキした性格ではなかった。本当は髪も長いほうが好きだし、女の子といるほうが楽だった。

「やっぱり風当たりは強かったですね。おびえながら、希望が持てずに過ごしていましたから。でも、そんな自分が45年も生きてこられた。それはやっぱり、音楽で人に希望や生きる力を伝える使命があるからだと思うんです」

 “氷川の歌を聴いたからもうちょっと頑張ってみよう” “氷川もあんな感じだけど、自分も生きてみよう”。そういうふうに、ひとりの命でも救える存在になりたいと語る。

内面からのものはやっぱり大きい

「ちょっと暗い話になっちゃいましたが、誰に対してもいつだって本音でいたいし、うそをつきたくない。だから、どんなことに対してもオープンでいたいんですよね。そんな部分は、日本人気質離れしているのかな?」

 これから年を重ねるごとに、不安を感じることも多くなるだろうと推測する。

誰に対してもいつだって本音でいたいし、うそをつきたくない 撮影/廣瀬靖士
誰に対してもいつだって本音でいたいし、うそをつきたくない 撮影/廣瀬靖士

「やっぱりね、親も年を取ってきているから。自分はひとりっ子だから、いつかひとりぼっちになるのかもしれないと思うこともあります。それでもやっぱり、自分と戦いながら生きていける強さを身につけていきたいですね」

 同時に、若くいられるようにとも。

「もう5年したら50歳だし。まずはストレスをためないこと。そして、健康を維持できるように。やっぱり睡眠、食事、メンタル。心の不調は、ダイレクトに身体の不調につながりますからね。

 日本の人は“頑張らなきゃいけない”と本能的に思って無理することも多いと思うけど、外国だと一般の人でもメンタルトレーニングの専門家をつけている人は少なくなくて。メンタルって、そのくらい大切なことなんですよね」

 気になる美容については?

「ケアはもちろん大切だけど、内面からのものはやっぱり大きいと思います。だって、30代のころの写真を見ると、今のほうが若く見えたりしますから(笑)。やっぱり、今がいちばん楽しいかも!」

 極上の笑顔を見せてくれた。

〈スタイリング/伊藤典子(hoop) ヘアメイク/助川良幸 衣装協力/ガラーベント(サーディヴィジョンピーアール)〉