容疑者の“パシリ”をするために路駐していて、
「近くのセブンイレブンに買い物に行かされたりしていたようです」(同・住民)
別の住民は、被害男性をおもんぱかる。
「土日もいたから、ほぼ監禁状態よ。彼もいい歳だから家族がいるだろうに……見ていて気の毒だったわ」
一方、阿部容疑者は1LDK、家賃月6万円、築16年のアパートで独り暮らしだった。
「以前は女性と一緒にいるところを見たこともあったけど、最近はずーっと独りだったみたいよ」(前出・住民)
被害男性は洗脳されていたのか
それにしても、なぜ被害男性は警察沙汰にする前に、会社に訴えなかったのだろうか?
「被害男性はやや気弱なタイプではあるが……。もしかしたら洗脳のような状態にあったのではないか」(前出・捜査関係者)
被害男性は容疑者に対してこれまでで1000万円ほど、罰金という名のカツアゲをされてきた。給料だけでは足りずに、消費者金融で数百万円ほど借りていたという。
警察の取り調べに対して容疑者は、
「孫の手で叩いたり、包丁を突きつけたりしたことは間違いありません」
と暴力に関する容疑は認めている。部下への指導のつもりがだんだんエスカレートしていったのか。だが、
「(罰金を)回収しようとしただけ」
と、孫の手で殴打した理由の正当性を主張するような供述をいまだにしているという。
いずれにしても、上司の単なるパワハラでは済まされない事件となった。