その5. 温活で体温を上げ免疫細胞を活性化

温活で体温を上げよう(※画像はイメージです)
温活で体温を上げよう(※画像はイメージです)
【画像】5か条の生活習慣を習慣化させて小さくなったがん(CT腹部)

がん患者さんには低体温の人が多いです。低体温の体内はがんにとって居心地がいい。対して、リンパ球の活性は体温が1度上がると40%上がります。また、冷えは血行不良が原因ですが、その血行は自律神経が調節しています」

 身体を温めて血行をよくすることで自律神経のバランスを整えることが大切だ。

「身体を冷やさないために、エアコンが効いている部屋では足首が隠れる靴下を履き、特に下半身を冷やさないように気をつけています」

 冬は腹巻きやスパッツで身体を温め、夏は冷たい飲み物やアイスクリームなど内臓を冷やす食べ物を避け、身体を冷やさない工夫を。運動するのも体温を上げる手段のひとつだ。

「さらにがん細胞は42・5度以上で死滅するといわれています。そこでおすすめしているのが『HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法』です。私も術後に実践しました」

 HSPとは、誰もが持っている“ストレスから身を守るためのタンパク質”だ。

「入浴などの熱刺激を受けて増加し、がんと闘う免疫細胞の力を増強すると考えられています。がんに克つためには、欠かせない存在なのです」

HSP入浴法のやり方

1.バスタオルと着替えは、すぐ手の届くところに置く。
2.浴槽のふたを開けたり、床や壁にシャワーをかけ、浴室内を暖める。
3.手、足、身体(心臓から遠いところから)にかけ湯をする。
4.浴槽には、足から手、身体の順にゆっくりとつかる。
5.湯につかりながら、舌下で体温を測る。38度まで上がるのが理想的。
6.入浴後は「10~15分」、身体を保温する。

※お湯の温度目安/42度→入浴10分、41度→15分、40度→20分
※血行促進作用のある入浴剤を使用の場合は、40度→15分
※詳細についてはHSPプロジェクト研究所所長の伊藤要子医師のHPをご参照ください。

船戸崇史先生
船戸クリニック院長。日本ホリスティック医学協会副会長。日本消化器外科学会認定医。西洋医学を中心に東洋医学や補完代替医療を取り入れ治療、診察を行う。また、がん予防滞在型リトリート「リボーン洞戸」も開設。著書も多数。

<取材・文/宇野美貴子>