同人AV・個撮は無法地帯
撮影機器の進歩で、素人でも高度な撮影・編集ができるようになり、AVのような画質・高品質の作品も多い。近年、低予算傾向で制作費が圧縮されているAV業界からも人が流れて、まるで小規模のAVメーカーのような規模を持つ同人グループもあるという。自主規制に縛られない同人AV、個撮には、過激な内容の作品も多く、たくさん視聴されて巨額の利益を上げている。
今年7月4日、愛知県警は公然わいせつで、名古屋市の飲食店経営の吉野隆賢容疑者と、交際相手の山本結菜容疑者を逮捕した。二人は昨年11月ごろに、愛知県豊田市の観光地・香嵐渓で下半身を露出するなどした疑いがもたれている。
この二人は『RYO&YUU』の名前で、海外の動画サイトに性的な画像をアップしており、人気配信者となっていた。月収400万円を超えたこともあるといい、雑誌の取材なども受けていた。
動画撮影が簡単になったこと、また素人でも投稿できるサイトが台頭し、このような同人AVの“人気配信者”は多数生まれているのである。
「単体女優の友人は、今のところギャラ飲みやラウンジのバイトなどでしのいでますけど、同人AVや性風俗業界からのTwitterのDMでオファーがあったと言っていました。もちろん断ったみたいですけど。同人AV、怖いじゃないですか。個人の責任になっちゃうし、信用できる相手かも、撮影で何をされるか分からないし…」(副業AV女優・Aさん)
「AV新法」施行後、同人AV・個撮に流れる女性は多いそうだ。「AV新法」の「制作公表者」には当然、同人AV・個撮も含まれるが、コンプライアンス意識の低い制作者も多い。「しばらくはAV新法を守らない」と公言する制作者や、性病対策などの衛生管理意識が低いケースもーー。
「やはりAV出演の動機は、すぐにまとまったお金が欲しいというケースが多いんですよ。AV新法ですぐにギャラを払うことが難しくなりましたから、同人AV・個撮に流れる女性は増えてくると思います。彼らはTwitterなどで盛んに募集をかけたり、直接オファーをしたりして女性を集めています。ギャラがいいので、オファーに応じる貧困女子系の女性も多い。AV新法によって『かえってひどい目に遭う』という女性が増えるケースがあるのではないでしょうか」(AVメーカー・Bさん)
もし、「AV新法」によって、コンプライアンス意識が高い優良なAV業界から悪質な制作者に女性が流れ、女性が被害に遭うことになったら本末転倒だ。