同じ'18年には、俳優のチャン・グンソクが、兵役の代わりに公的機関で勤務する『社会服務要員』として訓練を受けた後、ソウルの消防当局で勤務したこともあった。
しかし、BTSの兵役履行については、一部のファンが《政府の人たちは、自分がやったことの意味を思い知らなくてはならない》と、免除政策を取らなかった国に抗議して韓国製品の不買運動を呼びかける“ボイコット”の姿勢まで見せた。活動休止による経済的損失は数千億円ともいわれているが、それでも履行を決めた裏には、深い事情があって……。
7人そろっての活動再開に追い風
「BTSメンバーの兵役免除については、韓国内で意見が二分していましたが、免除反対派の中でも“なぜBTSだけ特別扱いなんだ”と、特に激しい怒りを示していたのが、兵役に参加している息子を持つ母親たちなんです」
とは、韓国の兵役制度に詳しい作家の康熙奉氏。
「彼女たちの意見は強固なもので、いくらBTSが国に貢献していても、世論を統一することは難しい。“BTS法”によるJINさんの兵役延長の期限は今年末までで、残された時間的にも免除の可能性は低い。ギリギリまで粘って嫌々兵役に参加する感じが出てしまうと、激しい批判に晒されることも考えられました」(康さん、以下同)
“母たちの怒り”もあって発表された兵役履行だが、これは賢明な判断だったという。
「国家政策である“'30年万博誘致”に向けた釜山コンサートを10月15日に実施した後、時間的余裕を持って兵役に参加することで、“国のために働く”という印象を持たせることに成功しました。今回の決断は、ベストタイミングだったといえます。兵役の期間はもともと21か月でしたが、今は陸軍や海兵隊は18か月に短縮されていますから、7人そろっての活動再開には、これも追い風でしょう」
これまでK-POPグループは、メンバーがバラバラに兵役に参加することで、全員そろっての活動が困難になっていた背景があるが……。