この気持ちは自分だけじゃないって思う

「“他人に理解してもらえない人の気持ち”ってあるじゃない。ボクにはすごくある。この映画ではそれを描いていて、そこがわかる人にはたまらない映画なんです。“この気持ちって自分だけじゃないんだ”って思えたら好きになれると思う。

強いメッセージで力を与えたり、救いや癒しを与える作品じゃない。ただ好きになってもらいたい。ボクが好きな作品だからかもしれないけど」

「夫婦で語り合う12分くらいの長~い1カット! ボクの顔はほぼ映ってない。12分間、横顔くらいと背中だけ(笑)。でも、カメラを意識せずに演技ができたから、それがよかったのかも。あと、セリフに力があった。言葉の力って大きいです」

 光のきれいさも見どころのひとつ。

「光の入り方は本当にきれい。ヨーロッパ映画みたいな色合いもいい。ボクね、年齢とともに“光”をすごく意識するようになった。光の大切さを感じて生きてる。趣味で写真をやっているせいかもしれないし、植物が好きなせいかもしれないけど。今いるスタジオの光も、カーテン越しの光も、順光も逆光も。雲の切れ間から出る薄明光線
……天使のはしごに感動したり、木漏れ日を追って散歩したりね」

 映画では冒頭から美しい光のシーンがあるので、どうぞお見逃しなく!

 限りなく“稲垣吾郎み”強めの魅力的な主人公・茂巳に会いに、ぜひ一度は映画館に足を運んでみて!