男子サッカー部に入部
家は日本橋のど真ん中。家の前に小学校があり、地域に開放されていた校庭で日が暮れるまで遊んだ。幼いころから運動神経抜群で活動的。のぼり棒、うんてい、ジャングルジムはお手のもの。ドッジボールも男の子より強かった。
サッカーに出合ったのは中学2年、ある晴れた日の昼休み。校舎2階の教室でお弁当を食べ、ふと窓から外を見ると、校庭で男の子たちがボールを蹴って走り回っている。衝撃が走った。
「何あれ、面白そう!」
まだサッカーというスポーツも知らなかったものの、あそこにいるメンバーは小学校のときによく一緒にドッジボールをしていた男の子たち。
「きっと私にもできる!」
それまで卓球部に所属していたが、体育祭ではリレーの選手。卓球よりもあのスポーツのほうが足の速さを生かせると瞬時にピンときた。
職員室に飛び込み、サッカー部の顧問の先生を探して頼み込んだ。
「私をマネージャーとして入部させてください。ついでに、練習もさせてください!」
男子ばかりのサッカー部に女子が1人で入部。もともとマネージャーだった女子も巻き込んで、一緒に練習に参加できることに。
「ママ、私サッカーやることにしたよ」
家に帰って事後報告すると、特に反対されるでもない。母は女子でも入部させてくれる学校に驚いていたようだった。
しかし、しばらくして、中学校の男子サッカー部の公式戦では、女子は試合には出られないことを知る。普通なら落ち込むところだか、岡島さんは諦めない。
「それなら、女子でも試合ができる方法を探せばいい!」
雑誌『サッカーマガジン』の読者投稿ページを隅々まで探し、「チームメイト募集」の欄に女子チーム、FCジンナンを発見。すぐに入団した。できたばかりの日本初女子サッカークラブチームだ。
平日は学校のサッカー部でマネージャー業務と練習に並行して取り組み、土日はFCジンナンで練習するサッカー漬けの日々が始まった。
「高校生から社会人まで、とにかくサッカーが好きな女性が集まっていた。私は最年少でしたが、すぐに試合に出られるようになりました。ただ、チームの数が少なく、試合相手が見つからないんです」
都内では、高校の女子サッカー部が3つだけ。神奈川県の数チームとも練習試合をしたが、それだけでは飽き足らず、岡島さんは自ら関西の高校にも試合を申し込み、東西対抗リーグも実現させた。