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ー 歌舞伎役者たちの“チケットノルマ”
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ー チケットが売れ残ると“招待券”に

 市川海老蔵改め市川團十郎(44)による『十三代目市川團十郎白猿襲名披露興行』が目前に迫っている。そもそも同襲名披露興行は2020年5月から7月まで3か月間に渡る公演が予定されていたのだったが、新型コロナの影響で延期となっていた。2年も待たされ、しかも公演期間が2か月に短縮されたがゆえ、待ち望んでいたファンによるチケット争奪戦が予想されたのだが……予想に反して前売り券の売れ行きは芳しくないと、各メディアがこぞって取り上げている。

 歌舞伎感激ツアーを組んでいる旅行代理店の社員の話を聞くと、「まだ十分余裕があります」としており、松竹のホームページにあるチケット予約サイトを見ても、確かにまだ空席が目立つ。松竹関係者によれば、

「夜の部は全日分を含め即日完売になりました。『勧進帳』や市川新之助を襲名する團十郎さんの長男・観玄くんの初舞台『外郎売』が上演される昼の部に関しては余っている状況。25000円の1階桟敷席と3階の8000円(A)席、6000円(B)席は即日ではないですが完売していますけど……」

 と言うが、2300円の1等席と18000円の2等席は、まだ空席があり、團十郎自身がブログで残りチケット枚数を告知するなど前代未聞の状況となっている。

歌舞伎役者たちの“チケットノルマ”

 スポーツ紙の歌舞伎担当記者によれば

歌舞伎役者の襲名披露公演は連日満席になるほど人気があり、特に市川團十郎などの大名跡は、チケットが発売開始されると即完売になります。十三代目市川團十郎襲名は新型コロナで延期にはなりましたが、“いつになるんだ”とその分長い期間に渡って話題に上がっていましたし、何かにつけてマスコミにも取り上げられてきましたからね。プロモーションが進んでなくても注目はされていたと思います。チケットが完売しない理由はほかにあるんでしょう

 という。前売りだけではない。実はチケットが思うようにさばけなくて困っている歌舞伎関係者がいる。

「演劇の公演にあたって、劇団員など出演者が自らチケットを売らなければならないように、團十郎さんを含む、出演する歌舞伎役者たちにもチケットを売ることが課せられています。はっきりしたノルマがあるわけではないですが、皆さん50枚とか100枚くらいは引き受けていますね。金額にしたら100万円とか200万円になりますから、売れないと大損です」(スポーツ紙歌舞伎担当)