イギリスのチャールズ国王は、皇太子時代から、王室の役割を縮小する意向をほのめかしているという。
「成功した例もあります。'19年10月、スウェーデン国王は、当時1~5歳だった5人の孫を正式な王室から除名しました。王族数の増加に伴い、“公費がかかりすぎる”という国民の声を受けての措置で、孫たちは、税金を財源とする王室の手当を受け取れなくなりました」(前出・現地ジャーナリスト)
トラブルとなった原因
そのような背景を受けて、孫4人から称号をはく奪すると発表したデンマークのマルグレーテ女王。決断に際し、こうコメントを寄せた。
「この調整は王室を永らえるためには必要不可欠であると捉え、私の在位中に行いたいのです」
マルグレーテ女王には、長男のフレデリック皇太子と次男のヨアキム王子という2人の息子がいる。それぞれ4人の子どもに恵まれたが、ヨアキム王子の子どもたちだけが称号を奪われることになる。
「女王は、“王室の一員であることに伴う特別な配慮や責務に制限されず、より広い世界で自分たちの生活を築いていけるように”と、願っていましたが、残念ながらヨアキム一家には響いていないようです」(前出・現地ジャーナリスト)
ヨアキム王子は、冒頭のインタビューで、子どもたちの苦悩についても言及していた。
「彼らは何をよりどころにすればいいのか、何を信じればいいのかわかりません。なぜ、彼らのアイデンティティーが奪われなければならないのでしょう……」
前出の多賀さんは、一連のトラブルを引き起こした原因について、こう見解を示す。
「本来ならば、話し合いを重ねて、ヨアキム王子を納得させるべきでした。王族のスリム化は、いずれ誰かがやらなければいけないこと。ヨアキム王子への通知が5日前だったのは、本人からの抵抗や反発を予想していたからだと思います」
称号を奪われる孫たちの最高年齢は23歳。突然の発表に戸惑うのも無理はないだろう。しかし、事の発端は、ほかならぬヨアキム王子にあるという。