ウクライナ侵攻を巡り、連日ニュースとなっている“ロシアの倫理観”。今年11月に日本を去ることが決定しているロシアのガルージン駐日大使だが、『FNNプライムオンライン』(フジテレビ系)記者との応酬が新たな話題を呼んでいる。
今回問題となったのは、在日大使館や領事館の外交官が使用する「外交官ナンバー」の車が交通違反の違反金を踏み倒している件についてだ。
外交官には“外交特権”が認められており、仮に交通違反で切符を切られたとしても裁判や差し押さえを免除できると定められている。同制度を悪用し、ロシアの外交官が駐車違反や交通違反などを犯して請求された多額の違反金を“踏み倒している”というのだ。
稚拙な言い訳が“頭にくる”
警察が出したという最新のデータを元に、「ロシアの外交官は法律を守る意識が低いのですか?」と尋ねた同記者に対して、ガルージン駐日大使は「私に答えてほしいのか、それとも議論がしたいのか?」といら立つ場面も見られた。また、FNNの記者は飲酒運転をする様子も報じている。
この報道に対して、ネット上では、
「逆ギレはあり得んだろ」
「外交官として他国で働くからには“国の代表”という自覚をもつのが普通だと思うんだけどな」
「違反行為をしているのを目撃したら写メなり動画なりで“証拠集め”をして警察に通報し行政から大使館に絶えず圧力をかけ抑止力にすべき」
「何が腹立つって、ロシア側は日本の交通ルールを知らなかったわけではなく“処罰されない”と分かってやってるところだよな。『交通違反があるのはロシアだけじゃない』って稚拙な言い訳も頭にくる」
と批判の声が相次いだ。中には「昔からロシア外交官の交通違反は報じられているけど、ウクライナ侵攻の件でより注目を集めている気がする」と分析する意見も見受けられた。
ちなみに、ロシア大使館の無法なふるまいは日本だけの話ではない。今年の3月、フランス外務省は在仏ロシア大使館が欧米を描いた「容認し難い」風刺画をTwitterに投稿した(現在は削除済み)として、大使を呼び出して抗議したことを明らかにしている。
問題となった風刺画は2点。一方は欧州連合(以下、EU)加盟国を表すと思われる人々が並んで跪き、米国を象徴するキャラクター「アンクル・サム」の尻を舐める様子が描かれていた。もう一方には米国とEUを表す帽子をかぶった2人の医師が「欧州」と書かれたゾンビのような人物に注射を打っており、注射器には「ロシア嫌悪」「新型コロナウイルス」などの言葉が書かれていたのだ。
これに対しSNS上では「ロシア大使館がこれほど下品になれるとは…」と驚きを隠せないコメントが寄せられている。
さらに2018年には、アルゼンチンのロシア大使館から大量のコカインが見つかり、世界的なニュースとなった。約400キロ(5000万ユーロ相当)ものコカインは、外交特権で第三者には開封できない「外交行嚢」(郵送に使われる袋)によって、欧州に持ち出されようとしていたと伝えられている。
度々目に余る行為が目立つ、ロシアの外交官たち。彼らが自らの行いによって「ロシアという国そのものがどう評価されるか」を振り返るように願うばかりだ。