今回の映画の本筋は“山王戦”にはない

“山王戦”とは、原作漫画で最後に描かれた試合のこと。主人公・桜木花道が所属する湘北高校とインターハイ3連覇中の山王工業高校の熱戦が、単行本7巻分に渡って繰り広げられている。『スラムダンク』ファンから圧倒的支持を誇るこの試合はしかし、未だアニメ化されていないため、“幻の山王戦”とも呼ばれている。

“山王戦”では、“左手は添えるだけ”という名言と共に桜木の活躍が印象深いが、どうやら今回の映画では“桜木は主人公ではない”と囁かれているようで……。

映画の内容については、特報映像やポスターからネットで予想されているように、宮城リョータを主人公に据えたストーリーなのではないでしょうか。特報映像で描かれていたシーンが完全に『ピアス』を連想させるものでしたし、ポスターでも真ん中に宮城リョータがいますからね」

『ピアス』とは、1998年に『週刊少年ジャンプ』に掲載された、井上先生による読み切り作品。主人公の“りょうた”という少年と『スラムダンク』の宮城リョータには共通点が多いことから、同一人物ではないかと言われてきた。その『ピアス』に登場する海辺の情景と、うりふたつな描写が特報映像にも登場し、かつ宮城リョータ目線の映像が多かったため、「主人公=宮城リョータ」説が有力視されている。

りょーちんだけ特別扱い!?宮城リョータのドリブル練習を眺めるアプリ『Talkin’totheRim2』が配信中
りょーちんだけ特別扱い!?宮城リョータのドリブル練習を眺めるアプリ『Talkin’totheRim2』が配信中
【写真】宮城リョータだけ特別扱い!? 井上雄彦先生の“りょーちん愛”溢れるツイート

「宮城リョータを中心にどのようなストーリーを展開していくのか、という点については、やはり“山王戦”を山場に持っていくという展開が本命だと考察界隈では囁かれています。特報映像でも試合のシーンがありますが、その描写はコアなファンなら間違いなく“山王戦”のものだと気付くでしょうし、多くのファンが映像化を待ち望んでいる試合でもありますから」

 しかし、サラシナさんは、今回の映画の本筋は“山王戦”にはないと予想しているという。

「私は、映画の終盤に“山王戦”を取り上げるではなく、序盤から試合が始まるんじゃないかと考えているんです。というのも、井上先生はすでに漫画でこの試合を描ききっているので、その部分だけを単純に映画化することはあまり想像できません。それよりもむしろ、インターハイが終わった後に、宮城リョータが新キャプテンになってどう湘北を導いていくのかというストーリーの方がしっくりきますね。映画の一番の盛り上がりを“山王戦”に持ってきても、漫画で描かれている以上、展開も勝敗も知ってしまっているじゃないですか」